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社会福祉法人、理事会決議(就業規則等)および定款関係

目的=覚書メモ

社会福祉法人内の施設で就業規則等を変更した際、理事会決議の必要性について、行政担当に質問した事項をメモとして覚書です。

同様の疑問に出会った方へ、少しでも役立てれば幸いです。

「理事会」の原則

法人内に係る業務は、理事会での決議が必要です。ただし、「日常の業務として理事会が定めるものについては理事長が専決」でも構わない、という建付けです。

「日常の業務として理事会が定めるもの」の例としては、(備考)に記載されています。

① 「施設長等の任免その他重要な人事」を除く職員の任免

(注)理事長が専決できる人事の範囲については、法人としての判断により決定することが必要であるので、理事会があらかじめ法人の定款細則等に規定しておくこと。

② 職員の日常の労務管理・福利厚生に関すること

③ 債権の免除・効力の変更のうち、当該処分が法人に有利であると認められるもの、その他やむを得ない特別の理由があると認められるもの

ただし、法人運営に重大な影響があるものを除く。

④ 設備資金の借入に係る契約であって予算の範囲内のもの

⑤ 建設工事請負や物品納入等の契約のうち次のような軽微なもの

ア 日常的に消費する給食材料、消耗品等の日々の購入

イ 施設設備の保守管理、物品の修理等

ウ 緊急を要する物品の購入等

(注)理事長が専決できる契約の金額及び範囲については、随意契約によることができる場合の基準も参酌しながら、法人の判断により決定することが必要であるので、理事会があらかじめ法人の定款細則等に規定しておくこと。

⑥ 基本財産以外の固定資産の取得及び改良等のための支出並びにこれらの処分ただし、法人運営に重大な影響があるものを除く。

(注)理事長が専決できる取得等の範囲については、法人の判断により決定することが必要であるので、理事会があらかじめ法人の定款細則等に規定しておくこと。

⑦ 損傷その他の理由により不要となった物品又は修理を加えても使用に耐えないと認められる物品の売却又は廃棄

ただし、法人運営に重大な影響がある固定資産を除く。

(注)理事長が専決で処分できる固定資産等の範囲については、法人の判断により決定することが必要であるので、理事会があらかじめ法人の定款細則等に規定しておくこと。

⑧ 予算上の予備費の支出

⑨ 入所者・利用者の日常の処遇に関すること

⑩ 入所者の預り金の日常の管理に関すること

⑪ 寄付金の受入れに関する決定

ただし、法人運営に重大な影響があるものを除く。

(注)寄付金の募集に関する事項は専決できないこと。

なお、これらの中には諸規程において定める契約担当者に委任されるものも含まれる。

https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12000000-Shakaiengokyoku-Shakai/0000142654.pdf#page=68

就業規則は?

「就業規則はどうですか?」との質問に対し、「就業規則の変更は、『日常の業務』とは言い難いですよね」との返答でした。
つまり、「理事会での決議が望ましい」ということです。

1法人1施設等であれば、その重要性も理解できるのですが、1法人で二桁以上の施設を運営しているところでは大変だろうな、と想像します。
・・・当法人には無縁ですが。(^^;
その際には、定期的に、まとめて一括決議のような流れにされるのでしょうか。実業務で実施されている方、もしよければコメントにてお知らせください。

ただし、就業規則から複数の規程類が派生しますよね。
最も重要なところでは、給与規定でしょうか。
最近であれば、ハラスメント防止に関する規定も就業規則から派生するかと思います。

「こうした派生する規則、その他の規程類等は、どうですか?」との質問に対しては、「就業規則、給与規定は、非常に重要な決まりなので、理事会で決議いただくことが、一般的に望ましいと思いますが、全ての規則を理事会決議にするとキリがないので、その線引きについては、各法人で決めていただくことになります。」とのことでした。

法人でのルール設定方法

定款に明記すると、縛りとして法人にとっては最強の方法になりますが、変動の可能性もあること、変更のたびに評議員会での決議を経て、行政の認可を得なければいけない手続きコストを考えると、厚労省の定款例に示された最後の条文、「この定款の施行についての細則は、理事会において定める。」を利用して、理事会運営規程などにより詳細を決める方が better ではないか、とのことです。
それであれば、理事会の決議のみで改変が可能になります。
理事会運営規程の例は、Googleが教えてくれました。
Googleって、本当に便利ですね。

就業規則変更を理事会で決議しなかったら・・・?

厚労省の出された監査指導ガイドラインでは、就業規則に関する理事会決議の有無を監査項目として明記していません。
そのため、法人監査として文書指摘されることはありません。
おそらく、当日の監査時に、おしゃべり程度の口頭で「理事会での決議が望ましいですよ~」くらいの指摘ではないかと想像します。

注意事項

上述は、あくまでも、本投稿時点での名古屋市内における話です。
詳細については、必ず所轄の行政担当へ確認をお願いします。

結論 Better way

  • 定款は変更しない。

  • 定款の細則として、理事会運営規程等を設定し、理事会で決議する。

  • 理事会運営規程等の規程にて、何を理事会決議とするか、何を理事長専決事項とするか。一覧表等により明確化する。

    • 就業規則、給与規則は、理事会決議が望ましい。

  • 理事会議事録とともに、理事会運営規程等のルールも、行政監査時に提出できるよう、準備しておく。

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