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伝統仏教の基礎

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簡単にですが、伝統的な仏教の基礎概念について紹介しました。 西洋や東南アジアの中国系社会、最近では中国本土でも仏教への関心が高くなってきていますが、仏教がどのように人の苦しみを和…
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#仏教

伝統仏教とは?

仏教というのは、乱暴に要約すると、 私たちは宝を見つけようと、外をキョロキョロ探している…

吉村均
3年前
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教えの言葉は教義や思想ではなく、ヒント

経典の多くが「如是我聞(私はこのように聞きました)」から始まることが示しているように、仏…

吉村均
3年前
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三転法輪(その1)

仏教の教えは、西洋の一神教のような、誰もが例外なく常に従うべき教義ではないので、それがど…

吉村均
3年前
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三転法輪(その2):四諦・三苦

初転法輪:苦・集・滅・道釈尊は、インド・ブッダガヤの菩提樹の木陰で瞑想をして、さとりを開…

吉村均
3年前
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三転法輪(その3):般若経の空(くう)の教え

第二転法輪とされているのは、『般若経』の「空(くう)」の教えです。 これは、大乗経典の教…

吉村均
3年前
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三転法輪(その4):唯識と如来蔵(仏性)の教え

第三転法輪とされているのは、『解深密経』で説かれている唯識の教えと、『如来蔵経』などで説…

吉村均
3年前
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南伝と北伝の涅槃理解の違い

 東南アジアに広まっているテーラワーダ(南伝)と、中国や日本、チベットなどに広まっている北伝の仏教理解の違いとして、仏陀の到達した究極のやすらぎの境地、涅槃(ニルヴァーナ)の捉え方があります。  テーラワーダは、阿含経典の教えをもとに理論化をおこなった古代インドの部派の流れをくんでいます。阿含経典では輪廻の苦しみを抜け出して涅槃を目指すべきことが説かれており、テーラワーダでは輪廻を離れて涅槃に到達することを目標とします。  それに対して北伝では、釈尊がインド・ブッダガヤで

南伝と北伝の違い(その2):八正道の位置づけ

 南伝のテーラワーダの教えでは、実践法として八正道(正見・正思惟・正語・正業・正命・正精…

吉村均
2年前
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仏陀の三身

 中国・日本・チベットなどに伝わる伝統(北伝)では、仏陀の三身(法身・報身・化身)という…

吉村均
1年前
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