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【2021 J1 第3節】 アビスパ福岡 vs 横浜F・マリノス プレビュー

息つく暇もなく、前節の広島戦から中2日でAway 福岡戦。今シーズンも中々の過密日程ですね。
マリノスは前節の後半のサッカーを今節も継続してできるのか注目です。

この記事はマリノス視点で進行していきます。

ピッチ状況

今節の会場はベスト電器スタジアム。
開幕戦(アビスパ福岡 vs 名古屋グランパス)でこの会場が使用され、多くの
選手が足を滑らせる場面が目立ち、芝生が長いのか足を攣る選手も何人かいました。
マリノスはピッチ状況+選手の疲労度を考慮したスタメンを組んでくるのか、ピッチ状況に合わせたプレー選択は大事になりそうです。

チーム状況

・横浜F・マリノス
順位:14位 勝点:1

出場微妙:和田、喜田、岩田

リーグ戦前節 Home 広島戦 3-3のドロー。中2日で今節 Away 福岡戦を迎える。次節、中3日でHome 浦和戦を控える。
・アビスパ福岡
順位:13位 勝点:1

出場微妙:杉本

リーグ戦前節 Away 清水戦 2-2のドロー。中3日で今節を迎える。次節、中2日でAway 徳島戦を控える。

予想スタメン

j1-3 pre ポジション名

この記事に出てくる各ポジションの表記名は上図のものを使用します。
(※但し、各ポジション左右関係なく、両サイドの選手に言える場合はRやLの文字を省略して表記します。 DH=ボランチ)

まずは予想スタメンから

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※選手名横の文字は利き足を表しています。(R:右利き、L:左利き)

・マリノス
4-2-1-3

「前節から中2日による疲労、横浜→福岡の移動による前節スタメン組のリカバリー不足」を考慮すると、何人か入れ替えてくると予想。
中でも3/3(水)に行われたルヴァン杯、前節共にスタメンフル出場したチアゴ・オナイウはベンチスタート、スタメンに伊藤・前田が入ると予想。

前節スタメンで出た中盤の選手の疲労具合にもよるが、今後の過密日程も踏まえて前節から変えてくる可能性もある。
中盤の人選次第では4-1-2-3の可能性も。
・福岡
4-4-2

中3日で今節を迎えるためマリノスよりは選手の疲労が回復していると考えられる。
CFには前節メンバー外だったファンマが入ると予想。
RSHには金森。

4局面と時間帯

・自陣での攻撃 (福岡の敵陣での守備)

福岡はハイプレスに行くのか、ブロックを組むのかを時間帯で使い分けている訳ではないので、立ち上がりからマリノスのボール保持の時間が続くと予想します。

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マリノス4-2-1-3、福岡4-4-2の形で噛み合わせると上図のような形になります。マリノスは中盤で3対2の数的優位を作れます。逆に最後方は同数なので、中盤の3人の内一人が最後方に降りてくるのかなど、どういう動きをするかは注目です。

それを踏まえて福岡のブロック時、ハイプレス時のマリノスが使いたい場所を紹介していきます。

■ブロック時
福岡は4-4-2の形でブロックを組んできます。

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福岡の2トップはまず中央を塞いだところから片方のCFがボールホルダーのCBにプレスを掛けにくると予想します。SBに出たボールには敵SHが寄せてきますが、この時の敵SH裏を取る選手がいればマリノスは、福岡のブロックを敷いたところからのプレスは回避できるでしょう。
広島戦ではOHマルコスが敵SH裏を取っていましたが、今節もその形を取るのか。
それともボランチの選手が取るのかは注目です。
この敵SH裏を取る選手に対して敵ボランチの選手が流れてついていき、中央を開ける場面が有りました。敵SH裏を取る選手を囮に使い、中央にパスを刺すのも有効です。

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また両SBの裏は福岡のウィークポイントでも有ります。
特にRSBサロモンソンは対峙する選手に付いていくため、ここまでのリーグ戦2試合とも背後を取られる場面が目立ちました。
『流れの中でボランチの選手がLSBの位置に落ちることで敵RSHの意識を向けさせ、LWGの選手が降りる動きを見せサロモンソンが付いていった背後をLSBが侵入、そこにLSB落ちした選手からパスを受ける』
マリノスはこの形を広島戦でも行っていましたが、今節はこの形がより顕著に出るかもしれません。
天野のキック精度と高野のスピードがより生きる形です。

SB裏に前田を走らせることもあるかもしれません。

■ハイプレス時
ボールをGKまで下げた時や後方でもたついてる時は福岡はハイプレスをかけてきます。
ハイプレス時は片方のボランチが前に出て4-1-3-2の形です。

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福岡のCFはGKまでプレスをかけてきます。この時、前に出てくるボランチの脇を取るマリノスの選手がいると福岡のハイプレスを交わすことができます。
福岡のハイプレス時にボランチ脇を取る選手がいるかは注目です。

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他のパターンとしてはSBが内側に入ることで敵SHを釣り、他の選手が外を使う形です。実際にこの形は福岡が前節対戦した清水が先制点を奪った時のプレスの交わし方です。
マリノスのSBは内側に入ることが多く、SBが内に入り、他の選手が外に出ることで敵SHに的を絞らせない攻撃が可能です。

またGKのスタメン予想をオビにした理由は、福岡のハイプレスを一気に無効にするフィードが蹴れるからです。ハイプレス時、後ろに残った福岡のボランチの脇には大きなスペースがあり、福岡のDFと前線は分断されます。
開幕戦の川崎戦でも何本かありましたが、ここでのオビのフィードは有効です。
ただオビのフィードに頼りすぎて、ロストする回数が多くなる展開は避けたいです。
「しっかり繋ぐ意識を持った中で、オビのフィードもあるよ」くらいの気持ちで。

さらにボールを保持した中でシンプルに前田を前に走らせる攻撃も有効です。
福岡の両CBは対人で強みを発揮するタイプで、足も速くなく裏を取られやすいです。広島戦の1点目のような形が今節も起こりそうです。

マリノスとしてはCFがボールをもらいに降りてきた時に、福岡のCBのストロングポイントである対人で潰され、福岡の中盤の選手に圧縮されショートカウンターを受ける形は避けたいです。

また福岡の長谷部監督はハーフタイムから積極的に動く監督で、今節も上手くいかないところがあれば早めの選手交代で修正してくるかもしれません。
後半の福岡の修正とそれに対するマリノスの出方も注目です。

・敵陣での攻撃 (福岡の自陣での守備)

福岡は自陣では4-4-2ブロックで守備をしてきます。

福岡の4-4-2ブロックはライン間がコンパクトで、全体がボールサイドに寄る傾向があります。マリノスは中央を崩すというよりは、まずはサイドの選手がボールを持ったところからの攻撃が有効になりそうです。

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まず鍵になるのは、サイドチェンジです。
福岡の守備は全体的にボールサイドに寄るため大外が空きます。大外に張るマリノスのWGへのサイドチェンジは有効です。
実際に福岡はこれまでのリーグ戦2試合とも、サイドチェンジされたところから失点しています。

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次はDH(No.6)前の癖を利用した攻撃です。
前はライン間の選手を警戒して、ボールサイドに寄る場面があります。
この時、LDH前とLSHの間にスペースができます。ここをマリノスのボランチの選手が使うのか、SBが侵入して使うのか

ここのスペースを使えると一気に相手のライン間に侵入することができます。

また、75-90の時間帯ではファンマはプレスバックをしなくなり福岡のファンマサイドのFW-MF間が空きます。マリノスはファンマサイドから攻める方がスムーズにボールを動かせるかもしれません。

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マリノスの選手が大外でボールを保持した時、福岡はSBとSHで挟んできます。
ニアゾーンに抜ける選手にはDHの選手が付いていき、中央→サイドに流れる選手にはもう片方のDHが付いていきますが、大外レーンまで流れた選手には途中で付いていくのを辞めるため、あまり中央は空けたくないと考えているのかもしれません。

中央→サイドに流れる選手に敵DHが付いてこなければ、サイドで数的優位を作れますし、
中央→サイドに流れる選手が敵DHの選手が付いてくるところで留まれば中央が開くので、一度下げて中央を崩す攻撃もできます。

また敵陣での攻撃で一番重要なのは止まらないことです。
前節広島戦の前半では、ニアゾーン・DFの背後を突く選手がおらず敵DFラインを押し下げることができず停滞した、単調な攻撃になってしまいました。
後半のように大外でボールを持つ選手に対して、必ずニアゾーンを抜ける・敵DFの背後を突く選手がいることで、それに釣られ相手のDFラインは押し下げられます。
相手のDFラインが押し下げられたことによって、WGと並行の位置でサポートする選手が浮きますし、この動きを連続してやることによって相手の守備を崩壊させることができます。

広島戦のマリノスの2点目が良い例です。CBがボールを持ったところから是非見てください。ハイライトだと大分カットされてしまっているのでここには載せられませんが、DAZNのフルタイム視聴でキーモーメントをONにしてマリノスの2点目のところから30秒巻き戻して再生していただければCBがボールを持ったところから視聴できます。

『今節はこの動きを前半からできるのか、その動きの起点となる選手は誰か』
が前節からの課題であり、今節の最大の注目ポイントです。

・敵陣での守備 (福岡の自陣での攻撃)

基本的にはゴールキック時など、GKから繋ぐことはせず、ファンマをターゲットにしてロングボールを蹴ってきます。

ここでは福岡の自陣深くからの攻撃ではなく、福岡の自陣から敵陣への侵入の仕方を紹介していきます。

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RSBサロモンソンから敵(マリノス)SB裏に抜けたLSH金森へのパス。

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ボランチの前がCB間に降りたり、SB落ちしたりして最後方の枚数を増やしてきます。これはマリノスの最前線の選手数に合わせて変えてきます。

前が降りた時は両SBが高い位置で幅を取り、SHは内側に位置を取ります。

ここからの前進方法は主に3つです。
1つ目はRSH石津がもう片方のボランチ(重廣)と同じ高さまで降りてきてCBから縦パスを受ける。

2つ目は前からSBへのフィード。前は両足共に精度の高いフィードを蹴れます。
できるだけフリーの状態でボールを持たせたくない選手です。

3つ目はCBからSBへのパス。

福岡の前進方法を3つ挙げましたが、福岡の両CBはプレッシャーを受けた中でのプレーがあまり上手ではありませんし、後方が数的優位の状況で、前方にスペースがあってもCBがドリブルで前に運ぶこともしません。まだJ1のスピードに慣れてないように感じました。ここは福岡のウィークポイントとなりそうです。
前節清水戦の前半ではCBからの球出しが上手くいかず、後半頭からLCBグティエレス→宮に交代してきました。今節はどちらをスタメンで起用してくるかで攻撃・守備どちらを優先に考えているか、長谷部監督の意図が分かりそうです。

マリノスは開始からハイプレスを仕掛け、福岡の後方の選手のミスを誘ったり、ロングボールを蹴らせて回収する展開が多くなると予想します。

時間帯による疲労でハイプレスが掛からなくなってきた時に、選手交代でプレス強度を保つのか、違う守備の仕方に切り替えるのかは注目です。

・自陣での守備 (福岡の敵陣での攻撃)

ここでキーになる福岡の選手は両SB、ファンマ、ボールサイドとは逆のSHです。

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SBにボールが渡るとファンマはボールを受けに降りてきます。ファンマは体が強くポストプレーが上手です。ファンマのポストプレーからオーバラップしたSBがクロスを上げてきますが、この時の中の枚数はメンデスとボールサイドのSHのみなので、マリノスはペナ内で数的優位を作り守るのか
そもそもファンマに縦パスを入れさせないように中を切る守備をしてくるのか
マリノスのCBがファンマに付いていき潰すのか

は注目です。

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福岡は相手を敵陣のサイドに押し込んだ時、両DHがボールサイドに寄りSB、SHの4人で数的優位を作ります。
マリノスはこの数的不利を
OHやCFがプレスバックするのかもう片方のDHが寄ってカバーするのか

数的不利のままだと浮いた選手から逆サイドのSBに展開され、福岡のSBのストロングポイントであるクロスをフリーの状態で上げられてしまします。

またこの時もファンマは降りてきて起点になるので注意が必要です。

しかし福岡は同時に両SBが高い位置を取り、両DHがボールサイドに寄るためマリノスがボールを奪取できれば、敵SB裏、中央には広大なスペースがあります。これは福岡にとってのウィークポイントです。
マリノスは『サイドで福岡の選手と同数もしくはそれ以上で守備をし、ボールを奪取したらSB裏を使う』が徹底されていると福岡のストロングポンイトを消し、ウィークポイントを突けるでしょう。

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LSHの石津は、敵(マリノス)FW-MF間で一人になるDHのサポート役になります。
ボールが右サイドにあれば、自身も左サイド→中央に流れ、ボールを受け、より広い方に展開します。
マリノスがDHのサポート役になる石津に対してどういった対応をするのかも注目です。

セットプレー

CK攻撃

j1-3 pre CK攻撃

CK守備

j1-3 pre CK守備

FK攻撃

福岡のFK守備のデータを取れなかったので省略。


FK守備

j1-3 pre FK守備


以上がアビスパ福岡戦のプレビューとなります。
最後までお読みいただきありがとうございます。

福岡に勝って今シーズンリーグ戦初勝利を手にしたいですね!!

次節のプレビューはお休みします。

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