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【2020 J1 3節】 横浜F・マリノスvs湘南ベルマーレ マッチレビュー

1.スタメン

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マリノス:4-2-1-3
     前節から5人変更
     實藤→伊藤、小池→松原
     ティーラトン→高野
     天野→マルコス、遠藤→エジガル
湘南:3-5-2
          前節から5人変更
   大岩→大野、福田→金子
   松田→山田、タリク→中川
   石原直→指宿

2.マリノスの狙いとその後

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相手の2CFに対しボランチが間に顔を出し3対2の数的優位を作り、SBが相手のIHを釣り出す。その裏をマルコスともう一人のボランチが突く。また3トップが相手のDF5枚をピン留めしているためIH裏にスペースができる。ここをマリノスは再三狙っていた。

しかし問題はその後。エリキ・仲川の両WGはスピードに乗ったドリブルが武器の選手。IH裏をとった選手からWGへとボールが供給されるものの相手のWBはエリキ・仲川にスピードに乗らせないように間合いを詰める守備。味方のサポートもなく孤立状態になり、相手のWBがマリノスの攻撃を遅らせているうちにIHが帰陣。

このような状態が長い時間続き前半はシュート1本に抑えられた。

3.先発が示した打開策

今節は控えの選手に助けられたのは言うまでもないが、先発のメンバーが何も出来なかった訳ではない。湘南の守備を攻略するヒントとなりそうなプレーはいくつかあった。

前半16:00~のシーン
WBの鈴木を釣り出してその裏のワイドの仲川へパスが通り、手数をかけず、ゴール前へのアーリークロス。この場面は湘南が全体で前から来ていたこともあり、仲川には十分なスペースがある。ここでドリブルを仕掛けるのではなく相手の陣形が崩れているうちにクロスでシュートまで持っていく。前半唯一のシュートだったが良い形だった。

59:55~のシーン

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右から左へのパス回しで相手の3枚の中盤を横へ揺さぶり、ハーフスペースにいるエリキに畠中からの縦パス。エリキが反転してエジガルへパス。エリキに釣られた右CBの背後をマルコスが取りエジガルからのパスを受ける。

マルコスの足にボールがうまくつかずシュートまで持っていけなかったが、サイド一辺倒だった前半にはなかった崩し方だった。

このプレーを見て、押し込んでいて相手が5バックでブロックを作っている時他の選手が幅を取り、エリキがハーフスペースにポジションを取る方がエジガル、エリキの良さを活かせるのではないかと感じた。

エリキの最大の長所はスピードとゴールへの嗅覚。勢いのあるドリブルや、五分五分のボールを圧倒的なスピードで自分のものにするなど、スペースがあるところで力を発揮する。
マテウスのように減速させられてもフィジカルでゴリゴリ突破できるタイプではないため今節のように減速させられて仲間のサポートもない状態だと相手を崩し切るのは難しい。

一方でエジガルの良さは相手を背負いながらもボールをキープできるところ。

今節はこの二人の良さをうまく使いきれなかった。

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CBやSB、マルコスからエジガルにボールを当ててボールをキープさせて、エリキが坂と石原の間や石原の死角から抜け出してフィニッシュ。この形はエジガルのキープ力とエリキのスピードで裏をとる二人の長所を活かすことができる。

せっかくボールキープに長けているエジガルを先発で使っているのだから、もっと真ん中からの崩しがあっても良かったと思う。

天野が入ってきてからはこの形が増えた。

4.AJ・ブンちゃんのタスク

この二人が入って大きく変わったのはハーフスペースからのアーリークロスが増えたこと。
63分に天野が入り、決勝点が入る87分までの25分間でハーフスペースからのクロスは(天野の1点目も含めて)6回あった。(見逃してるのもあるかも)

これは前半には見られなかったので後半から修正したのだろう。

相手がハーフスペースを埋めていてニアゾーンランができない時はこのクロスが有効になる。マンチェスター・シティのデブライネがよくやるクロスだが、相手のCBとGKの間に速いクロスを上げることでどちらがボールに行くのか少しの迷いを生じさせることができたり、ファーサイドに速いクロスを上げることで相手の死角から出てきた選手が合わせて得点することもできる。

天野には他にも2列目から飛び出すこともボスから言われていたと思う。ここらへんは他のレビュワーの方が描いてくれそうなので省略。

マリノスが3枚替えしてからの攻撃は時間的にオープンな展開というのもあったが、5バックを攻略していたと思う。

5.最後に

先制はされたもののなんとか逆転して、今季リーグ戦初勝利!!
今シーズンはWGの質だけで殴り続けるのは難しくなりそうだと思わせられる試合だった。ただ、崩し方のバリエーションの面では天野が答えを示してくれたと思う。まだまだ発展の途中。
守備面でも課題が出た。体力面からか即時奪回ができなくなっているように感じた。即時奪回できずに逆サイドに振られた時の守備は課題。

これからの進化に期待します!!

最後まで読んでいただきありがとうございます。

試合結果

横浜F・マリノス 3 - 2 湘南ベルマーレ

得点者
 マリノス:66'  77'  天野純
      87'         オナイウ阿道
 湘南  :52'         中川寛斗
      79'         鈴木冬一 

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