Apple vs SONY この差はどこで?

注意事項

 独自視点で勝手に語って行きます。
経済評論家とか業界の方、言いたいことは沢山あると思うけど、まぁ個人の考えだから「そういう考えもあるよね」程度でよろしくお願いします。

0.背景

 先日TwitterのスペースでMacの話題となり、そのなかでVAIOもいいよねっと言った会話があった事をきっかけに、そういえば、AppleSONYの格差がどんな風に、どこで出来たのかイマイチちゃんと書いている記事って出てこないなぁっと思ったのがきっかけ。
 ざっと自分史的な物も含めて、まとめていきたいなと思います。
 2021年4月時点で世界の時価総額が世界1となったApple(8月現在はテスラかな?)。
 一方、国内の時価総額ランキングで5位のSONY。
 AppleはiPhoneの会社ってイメージが強いのかな?
 私は断然マッキントッシュ! Macのイメージですが。
 SONYは創業時は音響機器のメーカーかな。真空管電圧計を作ってた会社(この記事書くのに調べて知った)。
 商品としてはWALKMANが代表かな。もともとカセットテープを聞く機器だったのが、CDやMP3になっても受け継がれてますね。
 あとプレイステーションですね。30代の私の人生にも深刻な影響を与えた製品の一つでしょう。
 両社世界的なブランドの企業でありながら、どこで、なぜ世界ランキングで格差がついたのか。
 大きく4つに分けて独断と偏見に満ちた説明していきたいと思います。

1.iTunesとiPodの登場

 この章で重要なの非常に良いソフトウェアがリリースされ、そのソフトに対応した素晴らしい商品が発売されたことです。
 2001年1月にiTunesがリリースされました。同じ年の11月に初代のiPodが発売されています。
 iTunesは2021年現在のアップルミュージックとTVのアプリですね。今では色々なアプリケーションがあるので想像しにくいですが、音楽の情報をパソコン上で管理し、その管理した情報をMP3という形式でiPodに転送できるという画期的なアプリでした。しかも持ち歩くMP3プレイヤーがめちゃくちゃオシャレだったと言う訳です。
 2001 当時まだまだ、日本では音楽を聞くならMD、CDが主流の時代でした。特にMDの印象は強いですね。
 私自身の思い出としては中学生から高校入学してしばらくはMDを使っていた覚えがあります。
 しかし国内と海外、特に北米市場では事情が違ったようで、MDは流行っていませんでした。理由はいくつかあるようですが、音質が悪いというイメージが払拭できなかったようです。
 さて、実はMP3プレイヤーはなにもAppleが最初だった訳ではないです。なんならSONYもWALKMANのシリーズとして、 メモリースティックに音楽を入れて持ち運べるNW-MS7という商品を1999年にすでに発売しています。
 当時の報道資料がSONYのホームページに残っていましたが、 管理用と思われるアプリケーションソフトのCDロムがが同梱されている記載がありました。なぜそこまで売れなかったのかといえば、色々な要因はあれど、先ほど述べたように、MDが主流だったからだと思われます。
 また、価格も超強気な4万5千円。ちなみに容量は付属のメモリースティックが64メガバイト。
 iPodも初代の価格は4万7千円くらいでどっこい。かと思いきや、5ギガバイトの容量があり、全然違いますわな。
 その後2003年にwindowsに対応したバージョンがリリースされ、同時に価格を抑えたiPod miniやnanoといったシリーズも発売され、さらにシェアを広げていきました。2002年8月から2010年7月まで、BCNランキングというサイトで携帯音楽プレイヤー販売台数1位を走り続けていました。
 ちなに2010年8月にアップルを抜いて一位になったのはソニーでした。
ソニーおめでとう!って感じなんですが。。。
 SONYが一位になれたのは、色々な要因があると思います。
 ネットの中には、iPodのバージョンチェンジ前で買え控えが起きていたので、一位になれたと言う話がありますが、私はこう考えてます。
 2010年6月にiPhone4が発売されたから。
 iPhone4は、それまでのiPhoneとは違い、画質が綺麗になったことや、動画が撮れること、インカムの内蔵など、今のiPhoneにも繋がる改良がされた機種となっていました。
 さらに翌年発売されたiPhone4sはキャリアにソフトバンクだけでなく、auも加わり更にユーザーを増やす事になりました。

まさに、スティーブ・ジョブズが初めてiPhoneを紹介した時に言っていた、iPod、インターネット通信機器、電話。三つを一つにした製品の完成形がリリースされ、それをiPodと同じ管理ソフトiTunesで対応できるようになっていたのです。
 画期的な管理ソフト作り上げ、その上で、そのソフトにマッチした製品をつくりあげる事にAppleは成功したのです。

2.SONYのPS3とPSPしくじり先生

 この章では大まかにSONYが無理をして取り返しのつかない失敗をしたことをご説明します。
 PlayStation Portable通称PSP。この商品は2004年に発売された商品で所謂携帯ゲーム機のジャンルに分類されるゲーム機でした。
 さて、このpspですがいまでこそニンテンドースイッチのような大画面とコントローラーの一体型の完成形ができており、「あぁこういう事がやりたかったのかな」って想像はできるけど、当時はかなりイロモノでした。
 このPSPですが実は元々は打倒ゲームボーイアドバンスとして開発されていました。しかし、その目的とは裏腹に当時SONYの独自規格であるUMDを広めることが目的の一つになっていました。
  PSPは当時据え置き機に引を取らないCPUを搭載し、携帯ゲーム機では当時考えられない大容量かつ大画面にこだわりました。
その理由はひとえに、UMDと呼ばれるソニー独自企画のディスクを普及させる意図からくるものでした。
SONYの独自規格であるUMDを広く普及させることによって、PSPで音楽や映画を見れる環境を用意すれば、世界中でUMDの需要が増え、ソニーはライセンス料で儲ける、一人勝ち状態を作り出そうとした訳です。
つまり、PSPを新世代のウォークマンにしようとしていました。
 2004年当時絶賛ipodに苦戦中だったので、ゲーム機を通して巻き返しを狙っていたわけです。
 しかしここでニンテンドーにやられてしまいます。
 そう、ニンテンドーDSの発表です。
 しかも、9月に行われたSONYの発表予定時刻の1時間前に、Nintendoから発売日と価格が発表されてしまったのです。
 しかも、1万5千円と比較的お手軽価格で発表されました。
 先程述べたように、大画面で高性能CPUを搭載したPSPは定価3万円前後が妥当と思われていました。
 ニンテンドーDSの発表を受け、SONYは1万9千8百円と赤字覚悟で発売されました。
PSPは長いこと赤字を垂れ流しながら、販売を続け、ニンテンドーDSシリーズを相手に良い戦いをしました。
しかし、SONYが目論んでいた独自規格の普及や次世代のウォークマンと言った立ち位置を確立出来ませんでした。

さて次にプレイステーション3でのしくじりをご紹介します。
2021年8月現在、プレステ5まで出ていますが、多くの人がこのプレステシリーズに時間を奪われたのではないでしょうか?
私もその一人です。
そんな多くの人を魅了したゲーム機プレイステーションシリーズの3が2006年発表されました。

当時発表された際はあらゆる意味で衝撃を与えました。
まず価格です。
20ギガモデルで、6万2千7百9十円、60ギガモデルはオープン価格で実質7万弱だったようです。
ちなみにPS2が3万9千8百円だったので、相当高い価格設定に思われました。
 さらに輪をかけてまずかったのが当時のプレステの開発販売もとだったSCE社の社長が「安すぎたかも」と発言し物議を出しました。
 当時ユーザー意識とかけ離れた発言として取り上げられてましたが、実はこの発言別に他意がなかったのではと思います。というのも、このプレステ3なんとCPUの開発に5千億注ぎ込まれて作られたもので、開発コストを積み上げていくと、実際には原価10万を超えるとも言われていた化け物チップでした。
 なぜ、このようなことが起きたのか、そこにはSONYの大きな野望がまたもやありました。
 Cell(セル)と呼ばれるこのCPUですが、ネットワーク上にある同様のCPUと連携することによって、単独では処理が不可能なレベルのデータ処理を実現させ、クオリティーの高いコンテンツをユーザーに供給できるようにすることを目標としていました。
 そのため、最終的にはこのCPUは家電にも搭載される想定でいました。
これにより、インテルなどを駆逐し、CPU業界で天下を取ろうとした訳です。
 さぁて、もう結末が見えてますね。
 このCPU実はゲームを作るのには向いていないものでた。そのためソフトメーカーはタイトルのリリースが難航。さらに家電にも搭載予定が、消費電力が高いことなどから、導入できないことが確定。目論見が速攻で破綻したのです。
 さらに、商品コストを割増していたブルーレイのセンサーに関わる部品の供給が間に合わず、初期の販売に十分に在庫を確保できなかったという事態になりました。
 トドメを刺したのは、同時期に発売したニンテンドーWiiに話題はもってかれてしまいました。
 結果SCE社は債務超過となり2010年にSONY本体に吸収され、新規にSCE社を立ち上げるまでに至りました。しかも、あまり知られていませんが2014年にも債務超過を起こしてます。
 もちろん、このゲーム機についてのしくじりだけが今の状態を作り上げた、とは言いませんが、少なくても大事な局面でのしくじりであったのは間違いないでしょう。

3.All in oneを目指したApple。
PlayStationを作れなかったSONY

 この章では、アップルはMacを買えば全てが解決でき、プレイステーションでは、それができなかったと言うことをお話し致します。

 MacといえばAll in oneという方もまだまだいるかとおもいます。
 現在でもデスクトップパソコンといえば、でかい箱と沢山のケーブルを画面につなげるのが主流だと思います。
Appleはそれら多くのケーブル類を全て画面側のケースに収納したiMacを1998年に発売しました。半透明のケースが特徴的なこのマシンの記憶がある方は多いのではないでしょうか?
日本でもなんでもかんでも半透明にするのが流行り、私はドクターグリップを持っていたの覚えています。

 現在でもiMacは人気シリーズとして売れ続けています。
 まさにこのiMacが全てを物語っていると思いますが、iMacを買って電源を挿せばすぐに使え、必要なものは全て詰まっているそんなパソコン。そして、 この話をiTunesというソフトに置き換えると、iTunesというソフトが有れば、iPodも、iPhoneも、iPadも管理することが出来、さらに音楽だけでなく、それら機器に入っているゲームや動画、書類などを管理出来る様になっていたのです。
 AppleはiTunesというなんでも入れることが可能な箱を用意し、箱から取り出して、入れるデバイスも適切な物を提供できていたと言う事です。
 SONYについてですが、PlayStationと言うネーミングは、仕事で使うコンピュータを「Workstation」と呼ぶことに対して、遊びで使うコンピュータという意味で「PlayStation」に決めたというのが名前の由来とされています。
実際にPlayStationはゲームの拠点になる事ができましたが、ゲーム以外の娯楽を管理できたでしょうか?
 とくにPS3のタイミングでそれが実装または、可能性を見るようなう何かがあれば良かったのですが、結局ゲーム機のレベルで止まってしまいました。もしも、プレステ3でXperiaなどスマフォを管理できるようになっていたら、あるいは、パソコンのVAIO側で、プレステやXperia、ウォークマンをきっちり管理するソフトがあったら。SONYの立ち位置が変わっていたかもしれません。

4.良いソフトウェアを作れなかったSONYが負けた

アップルの代表であったスティーブ・ジョブズ氏は「SONY」と名指しこそしてませんが「日本の偉大なコンシューマーエレクトロニクスの会社がポータブルミュージックの市場を支配していた。長い時間をかけ市場を作り、自分たちで支配していたが、適切なソフトウェアを作り出し実装することが出来なかった」と言及しています。
そして合わせて、このように語っています。
「iPodはまさにソフトウェアである」と、優れたデザインやmp3で音楽を聴くといったことが本質なのではなく、ソフトウェアが本質なのだと。
 たしかに、iPodと同じデザインのウォークマンや、iPhoneと同じデザインのXperia、MacBookと同じデザインのVAIO(これはちょっと売れそうだけど。)これらが外見そのまま、ソニーの提供するソフトウェアで動いていいたら、売れていたかというと、そうではないですよね。
 間違いなく、SONYの状況は今と大きな変化はなかったと思います。
 まぁなんとなく、SONYをディスってんのかって感じになってしまいましたが、iPhone 12のセンサーも実はソニー製だったりするわけで、これからもいい製品、ソフトウェア両社ともに作っていって欲しいと思います。
 日本を代表する企業として今後も頑張ってください。

備考.記事に書いたことに関する年表

1998年    8月 iMac発売。
1999年    9月 SONYメモリースティック ウォークマンNW-MS7発表
2001年    1月 iTunesがリリース。
2001年  11月 初代iPod発売。
2002年  8月 iPodがBCNランキング1位。
2003年 10月 Windows版iTunesリリース。
2004年 11月 ニンテンドーDS発売
2004年 12月 PlayStation Portable発売。
2006年 11月 PlayStation 3発売。
2006年 12月 ニンテンドーWii発売。
2007年  6月  初代iPhone発売。
2010年  6月  iPhone4発売。 
2010年  4月 SCE社がSONY本体へ移管。
2010年  8月 SONYのWALKMANがAppleのiPodを抜いてBCN
                            ランキング1位。
2014年   2月 PlayStation 4発売。
2020年 11月 PlayStation5発売。
2021年 4月 Appleが世界時価総額1位

発売月などは、アメリカと日本で多少違うかもしれませんが、概ね流れはあっているかと思います。


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