オープンソースのフリーソフトの勧め

公開

2020/07/10 公開

私も探索中なので、良いのを新たに使い始めたら更新するかも。

オープンソースとは?

ソフトウェアのソース(どんなプログラムが組まれてそのソフトウェアが構成されているか)が公開されているソフトウェア。

<オープンソースのメリット>

・無料のものが多くある。(有料版ソフトの無料と異なり、機能制限や期間制限はほとんどない)
・自由にカスタムできる。
・他の人が作った便利なプログラムを利用できることもある。

<オープンソースのデメリット>

・バグがままある。
・開発からの手厚いサポートはない。
・マニュアルがないこともある。
・日本語パッチがないことがある。

フリーソフトとは?

無料のソフトウェア。

<フリーソフトのメリット>

・もちろん無料なこと。
・ものによっては有料ソフト並の機能性をもつ。
・無料なので新たに始めやすい。

<フリーソフトのデメリット>

・有料版ソフトの無料版などではほとんどの場合、機能制限や期間制限がある。
・有料ソフトに機能で劣るものが多い。


すなわち、オープンソースのフリーソフトは、自分でカスタムや自分のよく使う作業をプログラムで制御することができてしかも無料で使えるイイトコドリのソフトウェアである!

ただ、無料で使える一方で、開発に金銭的に支援することは重要なことである。
自分の支援でより機能が拡充されたり、新規の機能がついたり、バグが減るかもしれない。ソフトウェアにより支援の方法は様々(グッズの販売や寄付など)だが、お気に入りのソフトウェアには積極的に支援しよう!
各々のWebページには必ずバグの報告ページが設けられているので、バグをみつければ報告することができる。

以下、おすすめオープンソースのフリーソフト

私がバイオ系の理系院生なので、少なからずチョイスに偏りがあることに注意。
コンピューター系ではなく、ノンデザイナーなので説明に誤りがあるかも。指摘ください!

[画像の編集]
① ImageJ / Fiji
② Inkscape
③ GIMP
④ Krita

[3Dモデリング]
⑤ Blender

[動画編集]
⑥ Olive
⑦ Natron

[画像の編集]
① ImageJ / Fiji

・画像処理ソフト。
・Java。
・デジタルカメラの画像の処理よりは、顕微鏡画像や化学発光などの半定量など、科学分野に特化している。
・科学の分野では「どのような画像処理・解析を行ってこの画像を作成したのか?」が非常に重要視される。このソフトではどういう処理を行ったかを数値で出力することができ、別の人が同じ元画像から同じ処理をしたとき、同じ画像を得ることができる(再現性が高い。)
・ImageJ / Fijiを用いて処理した画像を論文に使用する際には引用が必要なので注意。
・科学分野では使用者が多く、プラグイン開発も盛ん。やりたいことの多くはだれかがマクロやプラグインを公開している。
・マクロを組むのに便利な機能が備わっており、プログラム未経験でも簡単なマクロは組める。
・Pythonのプログラムも動く。個人的にはプログラム未経験でもPythonならわかりやすくて組みやすいと思う。
・科学分野では日本人での使用者も多く、書籍や大学の研究室などが使い方やマクロを公開しているところがあり、日本語での情報も得やすい。日本語Wikiもある。

② Inkscape

・ベクター形式(拡大・縮小した際に見た目の画質の劣化がない)の画像を作成できるイラスト・ドロー・デザインソフト。
・パワポには難しい複雑な画像を作ることができる。SVG形式に対応しているのがポイントでフリーのSVG画像の編集に便利。
・Adobe Illustratorの無料代替ソフトの筆頭。
・日本人での使用者も多く、書籍等日本語での情報も得やすい。日本語Wikiもある。
・Youtubeに作品作成の過程やチュートリアルが多くあるので参考になる。
・ベクター形式の画像作成ソフトでここまで高機能なフリーソフトはないので、無料という条件では独壇場。
・公式サイトからプラグインのダウンロードが行える。


・私の環境(MacBook Pro)ではやや重く感じる。
・古参ソフトなのでUIがやや古臭い。
・公式サイトが自動翻訳感すごい。チュートリアルはルー大柴も驚きの読みにくさ。動画チュートリアルは永遠の不通。(非公式のがたくさんあるからそこまで困らないけど)

③ GIMP

・ラスタ形式の画像を処理するペイント・レタッチソフト。
・デジタルカメラの画像の色味を調節したり、いらないものを消したり合成したりする本格的な画像編集が行える。
・イラストソフトとして使用している人もいる。
・Adobe Photoshop、Lightroomの無料代替ソフトの筆頭だったが、最近は他にもフリーソフトで機能の高いものが登場してきている。
・日本人を含め、世界的に使用者が多い。
・他のソフトと比較して一番日本語が安定している。
・公式マニュアルは目次のみ日本語。内容は英語。
・ブラシやプラグインなどが多く公開されており、ノンプログラマーでも気軽にカスタマイズを行うことができる。
・Python-Fuと呼ばれる機能でPythonのプログラムで動かせる。
・最新バージョン2.10は2年前に出たため、以前のバージョンで書かれたチュートリアルやプラグインが使えなくなっているものもあるので注意が必要。
・Pythonのプログラムも動く。
・古参ソフトなのでUIがやや古臭かったが2.10でかなり良くなった。
・昔からあるプラグインの多くが今は使えなくなっている。
・公開プラグインを有志がまとめているサイトがどのソフトにも大体あるのだが、GIMP2.10にはない。各々開発者のGithubからDLするので探すのが大変。

④ Krita


・レタッチよりはペイントに特化したソフト。ベクターも扱える
・商用版が有料でSteamで配布されており、こちらは機能が強化されているらしい。有料版ではタブレット端末で使うことができる。
2Dアニメーションも作ることができる
・日本語での解説・チュートリアルがたくさんある。
・Pythonで動かせる。
・公式サイトからブラシやプラグインのダウンロードができる。


・公式マニュアルは日本語なし。
・日本語の解説サイト・チュートリアルがたくさんある。ただ、v4でのものはあまり見つけられていないので、どれくらい古いバージョンと異なるか私には不明。
(私は簡単な色塗りくらいにしか使っていないのでもっと熱狂的な人の記事を推奨)

[3Dモデリング]
⑤ Blender

・3Dモデリングソフト。2Dアニメーションでも使うことができる。
・日本人を含め、世界的に使用者が多い。
・日本語に設定できる。
・プラグインなどが多く公開されており、ノンプログラマーでも気軽にカスタマイズを行うことができる。
・英語、日本語ともにチュートリアルが充実していて学習しやすい。
・Pythonで動かせる。
・現行v2.8は2019年にリリースされたばかりであるが、すでに多くのv2.8でのチュートリアルが多くある。
・古いバージョンのチュートリアルも多くあるが、現行バージョンと所々UI等に違いがあるので注意が必要。

⑥ Olive

・カット編集、タイトル挿入などができる動画編集ソフト。
・2018年から開発されている新しいソフトで、まだα版(正式リリースではない。)
・軽い。
・日本語サイトで検索すると、「中級向け」「初心者には向かない」とあるが完全初心者でも気軽に使えるソフトだと私は感じている。
・Youtubeにプラグイン開発・公開、チュートリアルをこなすcgvirus氏がいる。
・最低限の編集はできるように機能がそろっているが、テンプレートがないので、テンプレートを使ってじゃんじゃん編集するタイプには向いていない。
・新しいソフトであるため、まだ英語日本語含め情報が少ない。
・α版ではあるが、すでにプラグイン開発が行われている。
・新しいソフトなので、今後テンプレート等の実装が待たれる。
今から使っておけば、ソフトの進化とともに歩める

⑦ Natron

・コンポジットソフトで長い動画にテロップを入れたり、カット編集よりは動画の合成などに特化している。
・AdobeのAfter Effectの代替として挙げられていることもあるが、操作性が大きく異なるので注意。一方で、コンポジットソフトNuke(有償、機能制限無償版あり)には操作性が近い。
・「開発が止まっている」「開発中止」の文言がネットで検索していると出てくるので不安になるが、2018年まででそれまで開発・支援していたINRIA and Alexandre Gauthier-Foichatが撤退したせいだと思われる。現在もThe Natron developersにより開発されている、はず。
・公式サイトからプラグインをダウンロードできる。公式サイト下部、Community Plugins、Community Scriptから。ただ、ダウンロード前にどんなものか画像や動画で見ることができないので、説明をよく読む。いくつかはYoutubeで開発者が使い方の紹介をしているものもある。
・Pythonで動かせる。
日本語パッチは今の所ない
・日本語サイトも今の所包括的に説明されているものはない。
・Youtubeにチュートリアルが英語でいくつかある。
・ヘルプ画面にいくのがとても簡単。調べる手間はかからない。でももちろん英語。
・Nuke無償版の存在やAfter Effectとの操作性の違いから、そこまで使用者が多くない。

他の記事で初心者ながら使い方を書いているので興味があればみてみてほしい。

まとめ

以上で色々書いてきたが、オープンソースソフトの醍醐味は自分たちで作り上げること、楽しむことだと思う。
どうしても共通言語が英語でとっつきにくさを感じるかもしれないが、幸いGoogle翻訳等の機能で対応できる範囲である。
よいオープンソースソフトライフを!

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