「星の唄*口に出せない願いごと」
カナダde着物
第61話
*浴衣は染物のオリンピック*
暑中お見舞い申し上げます。
日本の暑さから逃げるかのように、カナダに戻って参りました。
湿度の低いカナダの爽やかな風を、日本へ届けたくなりますね。
気持ちの良い夏の夜は、屋外で星空を眺めます。
残念ながら、ここ何年かは山火事の影響で月は赤くかすみ、星は遠く彼方に見えます。
グレーターバンクーバーでは、コンドミニアムや住宅が増えて、街が明るすぎるのでしょうか。
「闇があるから光がある。そして闇から出てきた人こそ、一番ほんとうに光の有難さが分かるんだ。」と、かつて作家の小林多喜二は言い「不遇の境遇にあっても耐えていれば、いつかそこから抜け出して本当の幸せを知ることができる。自分を信じて歩み続けよう。」というメッセージを残しました。
辛い出来事、不安定な世界情勢や気候変動があっても、私たちは希望を持ち続けて、持続可能な未来を築けることを願います。
昨今、分からないことはインターネットで検索をすれば、AIが答えや解決策を次々と表示してくれます。
それでも実際の行動や体現をしていくのは人間なのですから、ひとり一人の小さな行動から大きな変化を生み出せるでしょう。
AIとは違う、私たちの五感から湧き出る感動を大切にしていきたいと思います。
*今日の着物*Today’s Kimono
「浴衣は染物のオリンピック」
今年の夏は、フランスでのパリオリンピックで盛り上がっていますが、夏の浴衣は“染物のオリンピック”と呼べるぐらいに、世界各地で多種多様な染織技術があります。
インスタグラムを覗きますと、次から次へと新しい着物インスタグラマーの着物や浴衣の作品を目にします。
アフリカの伝統図柄や東ヨーロッパのモザイク画を浴衣に取り入れたものも多くあり、とても個性的で素敵です。
着物は洋服と違い直線裁ちで生地の面積が多いので、洋服では難しい大柄やビビッドな配色を取り入れることが可能です。
そう考えますと、着物は日本だけのものでなく、ユニバーサルで表現豊かなアートです。
是非、この夏は浴衣でオリンピックを観戦しましょう!
*今日の和の学校*Today’s Gathering
「七夕まつり」
七夕は五節句のひとつで、縁起の良い「陽数」とされる奇数が連なる7月7日の夕べに行われるため「七夕の節句」といいます。
東漸寺では、今年も子供たちが集まり「七夕ダンス」、「浴衣体験」、そして「七夕茶会」では季節のお菓子とお茶をいただきました。
お寺の住職が境内裏庭から竹を取ってきてくださり、皆で、それぞれの願い事を短冊に託し、星に願いを届けました。
大人たちにとりましては「自分については何を願おうか…」とふと考える時間にもなりました。 笹の葉さーらさら♪秘密の願いごとは心の中で唄います。
参照
きもの大辞典:https://www.someoriren.jp/dictionary/index.htm
染色 – Wikipedia
小林多喜二 – Wikipedia
「着物語り」
コナともこさんが着物の魅力をバンクーバーから発信する連載コラム。毎月四季折々の着物やカナダで楽しむ着こなしなどを紹介します。
2020年8月から連載開始。第1回からのコラムはこちらから。
コナともこ
アラフィフの自称着物愛好家。日本文化の伝道師に憧れ日々お稽古に励んでおります。
13年前からコキットラム市の東漸寺で「和の学校」を主宰。日本文化を親子で学び継承する活動をしております。
年間を通じて季節の行事に加え、お寺での初参り、七五三祝い、十歳祝い、元服祝い、二十歳祝い、結婚式、生前葬、お葬式などの設えと装いのお手伝いもさせていただいております。
*詳しくはコナともこ までお問い合わせ下さい。tands410@gmail.com
東漸寺は非営利団体で、和の学校の収益は東漸寺の活動やお寺の維持の為に使われています。
カナダ人の夫+社会人と大学生の3人娘がおり、バンクーバー近郊在住。
和の学校ホームページ https://wanogakkou.jimdofree.com/
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東漸寺Tozenji Temple https://tozenjibc.ca/
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