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「ご利用者が単身・独居の場合のリスク管理③」


はじめに

今回もご利用者が高齢・独居の場合についてお話します。

当事務所にご相談いただいた、高齢独居の方が実際に被害に遭われた「詐欺」についてと、その対応策についてお話します。

被害に遭いやすい詐欺の種類について

高齢・独居のご利用者の場合、判断能力の低下や相談できる方が身近にいないことなどから、詐欺被害に遭いやすいと言えます。また「老後の不安」といったところに付け込まれてしまうことも考えられます。

実際に利用者が次のような詐欺に遭ってしまった、ということでケアマネージャーさんから相談を受けたこともあります。

・リフォーム詐欺
・クリーンエネルギー関連の投資詐欺
・外貨預金に関する投資詐欺

これ以外にも、いわゆる「振り込め詐欺」なども被害に遭いやすいと言えます。

このような詐欺被害に遭い、お金を振り込むなどしてしまった場合、実際に取り戻すことはかなり困難であると言えます。
消費者契約法や民法などに基づいて、契約を取り消したり解除をしたりして、振り込んだお金を取り戻すことが考えられますが、そもそも業者の所在が分からない、会社自体が架空の会社だったという場合には回収もほぼ不可能ということも考えられます。

また、利用者ご本人が上記のような交渉を行うことも困難です。

法定後見制度の活用

では、このような場合どのように対応すべきでしょうか。

考えられるのが「法定後見制度」の活用です。

ご本人の判断能力に応じて補助人・保佐人・後見人を就けておくことで、補助人・保佐人の同意がないとそもそも契約ができないようにしておく、金融機関からお金を引き出せないようにしておくということが考えられます。

これにより、仮にご本人が契約書にサインをしてしまっても、補助人・保佐人が同意をしていないものは取り消す、また送金自体を拒むという対応が可能になります。
また後見人が就くような場合、ご本人だけではそもそも契約自体ができない、ということになりますので送金を拒むという対応が可能になります。

また補助人・保佐人・後見人が就いていれば、前回までお話したような入院や施設入居の対応も可能となります。

まとめ

3回に渡って、ご利用者が高齢独居の場合についてお話をしてきました。
利用者の方が安心して生活をするためにも、事前に準備をしておくことが大切です。

ただ、事業所としても対応することには限界があると思います。
そのため、必要に応じて弁護士を紹介するなどして対応することが考えられます。
事業所・ご利用者のためにも、ぜひともご検討ください。

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