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人生

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人生について徒然なることを徒然なるままに書いています。
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2020年8月の記事一覧

苦くて甘い「乾杯」を、一緒に。

あのお酒とあの思い出ハタチを迎えてから10年が経った。10年もあれば、大学や地元、会社や旅先でのいろんな「お酒」の思い出がそれなりに降り積もっている。 学生の懐にもやさしい値段の飲み放題のお店で、おそるおそる飲んだカシスオレンジ。だだっ広い河原でバーベキューをしながら、喉に流し込んだ缶チューハイ。寒い冬の恒例だった誰かの家での鍋パーティーに、必ずといっていいほどあった梅酒。たまに帰る実家で「せっかく季世が帰ってきたから」と、家族が用意してくれていた地元の日本酒やワイン。社会

時代を超えて「いいもの」が遺る理由−外山滋比古さんの訃報に寄せて

考えるのは面倒なことと思っている人が多いが、見方によってはこれほど、ぜいたくな楽しみはないのかもしれない。 −『思考の整理学』あとがきより。 1.本棚にあった著者の生きた証 『思考の整理学』(1983)を著した外山滋比古さんが96歳でお亡くなりになりました。 この本のタイトルを一度は聞いたことのある方も、または実際に手に取ってみた方も多いのではないでしょうか。 訃報を聞き、私はすぐに本棚にあった『思考の整理学』を手に取りました。著者の外山さんの不在を実感できないままに