ウサギとカメから読み解く、試合のルールが変わったら戦略を変えた方が良い話

最近、世の中に働き方改革という波が押し寄せているが、私が働いている会社も例外ではない。

以前に比べ残業に厳しくなり、重要な仕事であればまだしも雑務で残業するなんて言おうものなら、仕事ができない人間のレッテルを間違いなく貼られる。

残業ができなくなることで地味な雑務に手が回らなくなり、仕事が終わらない、でも片付けなければならない、仕事がどんどんたまる、時間内に終えられない自分はダメ人間、と負の烙印を自分に押すようになる。

誰もが知っている「ウサギとカメ」の話では、私は間違いなくカメのタイプの人間である。効率や要領は良くないけれど、地道にコツコツと誰よりも長く続けることができる。

童話ではゴールの山が決められており、その山のふもとにどっちが先にたどり着くかという話で、承知の通り最後はカメが先にゴールする。

「不器用な自分でも地道に頑張れば勝つことができる」とその童話には随分と励まされた。
仕事に置き換えれば、今は仕事のペースが回りよりも遅いけれど、2年、3年経って積みあげてきた仕事の成果が周囲よりも多ければ良い、という発想だ。

しかしもし、あの山にどっちが先に着くか、というルールから、「8時間で走れる所まで走って下さい」というルールに変わったとしたら、カメはどうなるだろう。
ウサギは1日走り続けることは難しいかもしれないが、8時間ぐらいなら寝ることなく走れるだろう。そうなると、カメに勝ち目はない。

ここしばらくの私はそのような感じであった。
「勝ち目がない...」
2,3年後の山ではなく、目の前の8時間で勝負が決まるのだ。
8時間の勝負に負け、仕事をおわらせることのできない自分に無力感を覚えた。

しかしそれでも、勝負に勝たなければならない。

発想を変え、ルールが変わったことを素直に受け止めてみた。
今までの自分のやり方に固執していては、競争に勝つことはできない。
カメでいうところの、「自分の足で歩く」ということだ。
しかし重要な点は、時間の制限は設けられたかもしれないが、「戦略や手段の制限は決められていない」ということだ。

自分はコツコツできることが取り柄でそれだけが自信だ!といつまでも自分のやり方を捨てきれずにいれば、ウサギに勝つことはできないかもしれない。
しかし、流れの速い川を見つけて遠くに行くことはできないか、自分を運んでくれる親切な動物はいないか、など頭を使って別の方法を探していれば、時間制限があったとしても、ウサギに勝つことができるかもしれない。

「自分の足で歩いて」という決まりがあるなら諦めるしかないが、「やり方を自由に考えてよい」ならば、昔の自分のやり方、考え方を改め、新しいルールに則った戦略を立てなおし、試合に臨めば良い。

周囲の環境変化にあわせて、柔軟に自分を変え続けられる人になりたい。

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