「キツネ潰し 誰も覚えていない、奇妙で残酷で間抜けなスポーツ」を読みました

自著出版(2024年1月)後,書店に並んでいる様子を確認してた時,同じ棚で見つけました.
副題に「間抜けなスポーツ」とあって,ローラーゲームみたいな興行的にすたれたスポーツの本かと思ったのですが(もちろんそういうものも扱われていましたが),もうちょっと広い意味の「スポーツ」でした.

自著執筆時に調べたんですが,「スポーツ(sports)」はもともと「気晴らし」の意味があるんですよね.そういった気晴らしとして歴史的に記録が残っている活動(特に中世ヨーロッパでは「狩り」)をまとめた本です.もちろんルール化や安全性なんて発想は後回しの後回しですし,使える道具が限られていたこともあり,内容の大半は現代では確実に動物虐待になるものばかり(題名で気づくべきですが.苦笑).(そういう描写がそこそこ多いので,苦手な方にはお勧めできません.僕も流し読みで済ませました).

やっぱりそういうのはちょっとねぇ…という意識やら規制やらの上に我々の現代のスポーツが乗っかっていると自覚できる,という意味では良い本でした.百年前とは意識が違うとはいえ,現代でもただの喧嘩や無謀な行為を見世物にするような活動は珍しくないので,そういった人間の本性のようなものを意識しつつ飼いならす,みたいなことが大事ですかね.

書籍の構成として1点惜しいなぁ,と思うのは,数ページで紹介されている各競技(?)それぞれに参考文献があると良かったかなー,というところ.

(2024年1月読了)

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