見出し画像

バリバリわんわん!のざくに流動場振り返り その2 「上の方に宝を置いて興醒め問題」はどうすればよかったのか? 改善ルール案等

バリバリわんわん!ルール決定の経緯 とのざくに流動場6つの要素で振り返り その1 の続きです。

読み合いゲームであるが故に体験の振れ幅が大きいという話でした。
のざくに流道場で言うところの「最高到達地点」と「最低保証」です。

本作は割と看過出来ない確率でゲームが崩壊したり興醒めな展開になりやすいです。「最低保証」を上げるにはどうすればよかったのでしょう?

「上の方に宝を置いちゃう問題」

当初、このゲームの基本ルールを決めたとき、

 予想していた定石

「宝と💩は1番下の方に置く」
そう思った理由:

  • 上の方に置くと他人に自分の宝を盗られる可能性が高まるやろ

  • 自分の宝を先に掘る、掘られる → 引く価値がなくなって誰もを引きに来なくなる → 💩を他人に引かせられなくなる

  • 自分の💩を先に掘る、掘られる → もう安全と見做され全員に掘られまくる → 宝が危ない!

実際の定石

「宝と💩は1番上の方に置く」
そうなった理由:

  • 1巡目で早々に宝を回収できる(先手番ならなおさら)

  • 1番上に自分のカードが複数枚置いてある状態を作ると更に有効
    (自分だけが宝か💩か判って選べ、他者に盗られるリスクが下がる為)

  • 下の方に宝や💩を置くとパスの権利を既に消耗していて選択の余地が失くなる → 他人に宝を盗られたり、自分で自分の💩を引く羽目になる

1番上に置く定石のカット

なので、上記の定石をカットする為には
後手番のプレイヤーは先手番のカードを塞ぎにいく仕事」
をするのが定石になります。
この定石に初回プレイでは中々気付けず(作者自身含む)塞ぐ仕事を後手番のプレイヤーが怠り、
「先手番のプレイヤー達が早々に自分のお宝を回収して逃げ切る展開」
が頻繁に発生します。

なので、

  • 全員がちゃんと定石とそのカット(先手番塞ぎ)に気付く

  • 全員が定石に気付かず満遍なく上下にカードが散る

という展開にならないと、上の方に置いたプレイヤーが早々に回収して勝ち逃げする興醒め展開になりやすいです。

早々に宝が出尽くす

消化試合感が増します(4:37辺り)
(動画内でそれでも盛り上がっていますが…)

この問題は、ある程度テストプレイをしてから気付きました。
なので、なんばのテストプレイ会では様々なご意見を頂きました。

上の方に置いちゃう問題で頂いた改善案

ご提案頂いた改善案は下記のようなものです。

 「自分のカードを掘ってはダメ」というルール

却下しました。
「自分の宝を掘ろうとし💩を避けようとしている」
というのはこのゲームの推理材料の大前提です。
それが崩壊してしまう対策案は採用できません。

 「1巡目は自分のを掘ってはダメ」というルール

そこまで悪くはないと思うのですが、

  • 如何にもゲームの都合臭く、ゲーム世界的に納得感が低い

  • 1巡目かどうかを把握するのがターゲット層を考えるとやや難しい

ので見送りました。

春ゲムマ後、自分で考えた改善案

感想を漁っていると、やはり興醒め展開になりやすい問題が見受けられました。なので、自分でも考えてみました。

追加ルール案A「最後の取得カードは×2点」

選択追加ルール案A

悪くないと思います。
下の方に置く理由が出来、ほどよく散ると思います。
ゲーム世界的な理由付けがやや苦しいですが、
「そういうルールだから」
「最後に掘り起こしたら嬉しいやろ!」

追加ルール案B「取った順に×1、×2…×5点」

追加ルール案B 大人用 ガチワンちゃん!
計算例

これはこれでやってみたら面白かったです。
(「こっちの方が好き」という意見も頂きました)
ただ、今度は下の方に置く動機が高まりすぎて、全員誰も重ね置かず平置きだらけの展開に収束しないかが心配です。

A,B案の懸念点

説明コスト
「ゴミ箱にポイ捨て(パス)した場合、何枚目というカウントはどうなるの?」
っということに対する説明コストが地味に高いです。
(案Bの方には念の為、計算例を載せました)
何枚目をパスしようと、左詰めで並べた順に何枚目かが決まるルールなのですが、これを説明書に誤解が発生しないように盛り込むのが地味に大変です。

既存ルールとの混乱
もう既にゲムマで販売済みです。
増刷分に後から追加したり、Web上で追加ルールを発表しても、余計な混乱を生み、販売戦略上、微妙です。
この追加ルールを増刷分に盛り込もうか最後まで悩みましたが、結局入れませんでした。

追加ルールを作るよりそもそも

本来なら、最低でも半年以上テストプレイを重ねて入念に検討すべきでした。
(やむを得ない特殊な事情で早く出さざるを得ませんでした)

どうすればよかったでしょうか?

バリバリわんわん!は実際にプレイすれば非常にルールに口を出したくなるゲームです。テストプレイの際には様々なご意見を頂戴しました。
(結果的には、どのご意見も採用しませんでしたが、聞く耳を持ってないわけではないです)

もうリリースしてしまったので、今更変更しようとしても手遅れなのですが、
「こうすればいいんじゃね?」
「俺ならこんなルールにする!」
っというご意見をお待ちしております。

「乱雑な積み重ね(メッシースタック)」というシステムは生まれたばかりであり、まだまだ発展途上です。個人的には大きな可能性を感じています。

すごろくや様にてバリバリわんわん! をお買い上げ頂き、是非ご意見を頂戴したいです!(直球PR)


長くなったのでここで一旦切ります。
その3では、
「合計点ルールになった経緯、ホントは2本先取にしたかった話」
「6人用ではなく、先ずは2人用で出しておいた方がよかったかもしれない話」
の予定です。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?