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Hop step spring

きっと、全部大丈夫だから。

抜けるそよ風が、隣を駆けていく。
目に映る全ては緑、
いつか見たことのある花々がそこに咲いて、揺れている。

寝転べば、聞こえるのは鳥達の歌声だけ。
ああ、この島の小鳥達は唄うように鳴く。
悲しいくらいに長閑で、穏やかな昼下がり、
私は読みかけの、本のページを捲っていく。
字が滑り始めたら、終わりの合図。
本当は貴方とこの景色を見れたら、
きっともっと全てが輝いたのかもしれない。

繋いだ手は、今は此処には居なくて
眠りに着く、寝床の中にもう居るのだろうか
そこに居ることができたら、と考えない瞬間はないのだけれど、
それでは、始まりも無かったと思うの。

蜜蜂が野花の甘い汁を集めて、巣に帰っていく。
本はその日までに無事読み終わるだろうか。
終わらせるしかないのだけれど、
それはけじめとして、決めたことだから。

この白ブドウはあまり甘くなくて、
戯れに転がしたあの一粒が、
どうしても忘れられないまま、
水は流れていく。

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