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日日是好日を見た

母が見ると言ってテレビをつけたのだが、私の方が真剣に見入ってしまった。日日是好日。茶道なんて全くわからないし、最初はずいぶん静かな映画だなあ、モノローグ多いなあ、と思っていた。いつの間にか典子ちゃんにとって茶道が必要なものになっていて、それはそこから何か利益を得たとかじゃなくて、心を保つために必要なこと・必要な場所になっていた、っていう描写が好きだった。

私のヨガみたいなものかなあ。初めは心療内科の先生に勧められて治療の一環で始めたんだけど、あれ、ひょっとしたらもう10年近く続けてるのか……?いつ始めたか正確には覚えていないな。
始めたばかりの頃、床に寝転ぶ系のストレッチ系のごく簡単なポーズで、静かな空間で、なぜかじわーっと涙が出てきたことがあって、たぶんあの時に少し救われたんだと思う。鬱が一番ひどかった頃のことだ。


なんとなく典子ちゃんの茶道もそういうものなのかな、って、勝手に思った。あと、お父さんを急に亡くされて、表面的には日常生活に戻っていても、ふとした時にざーっと大きな波のように思い出に襲われる所が、好きだった。現実の場面はすごく静かなお茶の時間なのに、典子ちゃんの中ではお父さんに対してめいっぱいの感情(感謝)をぶつける時間で、その対比が素敵だった。


あとはもう、樹木希林さん!実際に茶道やってらしたんですか?師範ですか?って思わせるような居住まい佇まいが、もう、素敵だった……!


私、驚くべきことに今年で40になってしまうのだけど、やっぱりいくつになっても年上の人を見ては「すごいな」「素敵だな」と憧れることばっかりで、悲しいかな「女は若さだ」という風潮も消えてはいない世の中だけど、でも重ねた年齢のうえにしか宿らない美しさがあると教えてくれる人が好きだ。


同時に、その年齢になった時、私はあんなに素敵になれるんだろうかって不安ばかり募るからやっぱり年を重ねるのはとても怖い。怖いけど生きていかなくちゃいけないし、昨日より今日と既に止まることなく年を重ねているし。私は何を為して死んでいけるのだろう、と、ふと思ったりする。


偶然見た映画が素敵だったって話なんだけど、まーたこういう、考え込む方向に思考が働いてしまうのだな。めんどくさい。

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