役に立つあなたは好きよ

購入した武田友紀さんの本に出てきた言葉。一緒に書いてあったのは、
「役に立たないあなたは、表に出てこないで」

良いことも悪いことも感じやすいのだから、感じたものを区別しないで受け取ってみようというお話の部分で出てきた。

これは感じ方の話なんだけど、言葉がすごい刺さる。刺さる。無理しがち、他の人の面倒みて雑事もこなしてトラブル対応して、それでも自分は役に立っているのだろうかと不安になる。

特に数字でわかりやすく表れる残業時間とかはすごく気にしてしまって、同じ部署の人が忙しくて自分はそうでもない時期はいつもすごくいたたまれなくなる。
関わってるプロジェクトが違うんだから繁忙期が異なるのは当然で、そんなこと頭ではわかってるんだけど、それでも気になる。何か手伝えることってないのかなって思う。

残業なんて全然したくないけど、部署の誰よりも残業時間が多いことで安心している自分がいるのも事実だ。
だって、誰よりも働いて役に立つ私じゃないと意味がない。役に立たない私なんて、いる意味があるの?

……言葉にしたことは今まで一度もなかったけど、誰にも言ったことはないけど、働き始めてからずっとそう思ってた。

きっかけは何だろう。新人の頃は、できないことばっかりなんだからせめて一生懸命やらなきゃって思ってた。上司が厳しい人で。でも直属の先輩はとても優しい人で、先輩に甘えてしまえばいくらでも自分は楽になれるとわかっていたので、反対の道を選んだ。

本当にど新人の頃、同期の女の子と一緒のプロジェクトに入った。お互い悪戦苦闘してたけど、ある時、自分がやることと一緒にひとつ、誰がやってもいいようなことをこなした。
そんなに大変でもなかったし、その後も少しそれを続けた。プロジェクトが進むにつれて、そのプラスアルファの部分の比重が重くなった。
その時に同期のあの子が言った。「こなちゃんは自分のとプラスアルファの部分、両方担当してるから大変だね」

担当してたんだ?私

誰もやらないから。今ならそこまで手が回るから。今回だけ。前回やって勝手がわかってるから。速い人がやった方がいいから。
そんなの。そんなので、決まっていった。

助かるよ、とか、ありがとう、とか言ってもらえるのは嬉しかった。役に立ててるのかもしれない、って思った。
ど新人、入社して3ヶ月くらいの頃、10年以上前の話。ひょっとしたらあの頃の糸が今もまだ絡まってるのかもしれない。


同期のその子は人間的にはとても好きで、話してると楽しくなれるし、驚くほどアクティブで自分とは本当に正反対の性格。
たぶん彼女の性格だから許されるんだろうけど、「本当は10日で終わる作業を、20日くらい必要ですね〜って言って、ゆっくりやってる」って言ってた。
バッファとか余剰とか言えば理解できない考えではないけど、何人も関わるプロジェクトでの話じゃなくて、入社4,5年目くらい、個人で進める作業でそう言ってた。その当時は、まあ正直に言えば今でも納得できる考え方ではない。

でもそれができるから、あの子は仕事もプライベートも楽しんで、友達も多くて明るくてお客さんにもすごく好かれて、そんな風にいられるんだろうな。


なんかまた話がズレてきた。
彼女そのものになりたいのか?と聞かれたら、違うと答えるけど、彼女のような楽しむところは楽しむ点は見習いたい。
部署が離れてから全然会ってないや。結婚したって聞いたけど、元気かな

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