発達障害日記0417(今敏の有機的なデジタルの話)

 発達障害関係ない、「発達障害者が書いてる日記」の略、発達障害日記。今日は今敏の話が!したい!!内容は発達障害関係ないけどこの衝動性は特性由来!さっき、別なSNSで見たから書きたくなったの!!

・『パプリカ』が好きなんです

 今敏監督の長篇アニメーション映画、パプリカ。

 「他人と夢を共有する」装置が開発され、悪夢を共有されたヒトは正常を保てなくなる。研究者千葉敦子は夢にもぐる「夢探偵」パプリカとして他者の夢を訪ねるが。
 
 リアリティに寄せた絵柄と、鮮やかな色遣い。 「夢の中」という異なるレイヤーでの世界で質量保存の法則を軽やかに潜り抜け、その身を変えていく少女パプリカ。
 「夢」という、身体を変えることに縛りの無い世界で、滑らかなアニメーションで姿を次々に変えていくパプリカの表現はアニメーションのメディア特性の真骨頂!というイメージがあります。
 2006年の映画ですが、原作は1993年の筒井康隆の小説『パプリカ』。小説版はもっとエッチですネ。
 2024年であれば、こういった「物理法則が現実と異なり、異なるチカラが振るえる」世界は、インターネットの世界になるのでしょう。マトリックスしかり、アメイジングデジタルサーカスしかり。
 今敏はもう亡くなってしまっていますが、今の世の中で『パプリカ』をリブートしたらどうなっていたでしょうね。もう少し無機物的なイメージで「現実と違うが精神は同じ世界」を描いていたでしょうか。
 


・『パーフェクトブルー』も好きなんです


 が・・・
 今敏という作家が現代に生きていたとして、デジタルの世界にファンタジーを求めるかと言うとちょっと分からないなと思っていて、
 というのも、長篇アニメ映画初監督作『パーフェクトブルー』も、個人の妄想と現実が交錯する話なんですね。
 

 なんとなくですけど、今敏は「有機的な違う世界」が良かったんじゃないかなあと思います。
 デジタル世界も「現実と違う世界」なんですけど、そこにいくためには狂気が不要で、むしろ現在ではたいていの人が片足を突っ込んでいます。まあSNSのアカウントのひとつやふたつくらいあるじゃないですか。分離した人格ですよね。
 「有機的な違う世界」に行くためにはなにかの条件が必要です。パーフェクトブルーの場合はアイドル仕事と俳優への憧れの、演じる自分へのストレスを伴う乖離。パプリカの場合は開発された装置による介入。
 誰でも入れる世界、ではなく、限定された人が夢の世界で遊ぶ世界を描きたかったんじゃないかな・・・なんて思います。

・『千年女優』や『東京ゴッドファーザーズ』も好きなんです

 千年女優も、往年の女優の思い出(走馬灯)の中のお話ですし、夢の中のお話ですね。
 東京ゴッドファーザーズはまた異色で、ファンタジー要素があまりないのですが・・・とはいえ、登場人物たちがウソをつき続け、それが露呈していくお話なのでこれもやっぱり「虚構と現実のレイヤーが分かれてる」お話。
 
 うん、ていうか今敏作品、好きなんですヨ・・・!わたしのアカウント名の「今」は、今敏にあやかって「こん」と読ませます。ほんとはあれなんですけど・・・ライター時代に「今ってついてたらなんか「今ドキ」とかそういう仕事をもらえるかもしれない」とかっていう下心でつけたんですが。うん、後半の文章が余計だ。とにかく今敏作品はすごくいいのでお勧めです。

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