好きなことを。

社会人一年目の、ゼミOBのお話を聞かせていただく機会がありまして。

「好きなことを仕事にするのはどうなんですか?」

という素朴な疑問を、投げかけてみた。

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確かによく聞くテーマではある。

「好きなことだから頑張れる」

あるいは、

「仕事にすると嫌になる」

どちらの立場もあって、もちろんケースバイケースだと思うけど、良い、悪いを決めつけた意見を目にするたびに「なんか嫌だなあ」と感じていた。

〜〜〜

話はゼミのOBさんの講演に戻る。

ある乗り物が好きだということが決め手となり、就職する会社を選んだというお話だった。

そこで冒頭の質問である。

自分の性格として、場の空気を濁らせる質問をするのは怖いので、ある程度答えの予想がつく、無難な質問をした。

そりゃまあ、「好きなことだから頑張れる」っていう答えが返ってくるだろうと、思っていた。

OBさんはこう答えてくださった。

「自分の好きなものに囲まれて仕事をするのは幸せです」

「日々勉強が続くけど、好きなものだから苦にならないです」

「これで答えになってますか?」

そう丁寧に一言一言絞り出すように答えてくださった姿を見て、心がじわっと、温かい気持ちになった。

もちろん、予想していた答えではあった。一般的に言われていることでもある。

でも、自分の目の前で(画面越しではあるが)、言葉を探して悩みながら、紡ぎ出された言葉には、どこにもない熱量があった。すとんと胸に落ちるというか、実感できるというか、その度合いが全く違うなと。

だから、何かを調べて、直接話を聞くことなしに、わかった気になるのだけは、本当にもったいないから、もっとたくさんの人の話を、熱量を持った話を、聞きたい。

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余談

最近は、一周回って人の話をたくさん聞きたいなと思うようになってきた。

たしかに、自分の話って、笑ってもらえると嬉しくて、だからつい最近まで、どう自分の話をするかってことに意識がいってた(人との会話のどこに自分のトークを入れるかって考えてた)。

でも、何度も繰り返すから新しい発見はないし、自分でも飽きてしまう瞬間があった(例えば、日向坂の映画を観にいって涙を流した話とか、別の相手に対してやけど、8回はした)。

だから、相手の話を聞いて、その話を新鮮な食材として、笑いを生み出せたら、相手の一部を知ることができるし、楽しいしで、一石二鳥なのではと思ってる。

そんな人になれたらすごくかっこいいなと思う。


金平糖のかけら







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