わたしの嫌いなところ


その1。

いいな
って気持ち。

わたしは、なんにもない。

能力っていうか、特技っていうか。

人より教えられたことをできるようになるのが
ちょっとだけはやかったりすることはある。
でも求められる以上のことはしない。できない。

習い事だっていろいろやらせてもらったけど
なんにも特技っていえるほど上達しなかったな。

1番長く続いたのはピアノだけど
別に勉強しなくても受かるような高校行くのに
受験が〜って言ってやめた。

なにをやっても、甲斐性がない子供。

すごいなぁ
よく愛想尽かさずに育ててくれたな

尽かされてたのかな

どっちでもいいや、別に、どうでもいい。

もう自分で立てる年齢になったから。
そんなこと今更知ってもなんにもならない。

特技がある人が、いいなって思う。

もしかしたら、もしかしてだけど、
これは半分わたしの期待もあるけど、
客観的に見れば
わたしにも特技があるのかもしれない

ないか、ごめん、調子乗った。

でも、羨ましいなって思う。
自分に自信が持てるところがあるって。

音楽が好き。
文字が好き。

でも生憎わたしは

歌も下手だし
ピアノだって挫折したし
ギターなんてFコード弾けなくて嫌になった。

自分の中にある気持ちとか考えとか
とにかく言葉にして外に出すのが下手だし
本が好きなわりには、あまりにも語彙がない
文章力がない。

好きなことって伸びるんじゃないっけ
好きこそ物の上手なれっていうんじゃないっけ

動画サイトにあげることはしなくても
とあるアプリに歌をあげてみたり
合唱祭のピアノ伴奏をやってみたり
とにかく苦手なコードだけを練習したり

こうやってnoteで
自分の気持ちを書き出してみたり
本で読んだ言葉を調べて深堀して
自分の語彙として取り入れようとしてみたり

できなくはない
でも違う
わたしがほしいの、こういうんじゃない。

周りは、褒めてくれる
好きだよって言ってくれる。

違う、なんか違う

わたしは人から褒められたいんじゃなくて
わたしがわたしに褒められたいんだ

そんなのできるわけないのに

周りを羨ましがるばっかりで
何が自分を褒めたいだ烏滸がましい

分かってる、分かってるんだけどなぁ

自分の経験を巧みに語ったり
自分の好きなものにまっすぐになれる人を見て

素直にいいな、すごいなって思う

それだけならいい
ここで終わればいいのに
わたしは欲深いからここで留まれない

いいな
わたしもそんな風になりたい

分かってるのに
わたしはその人になれないし
その人だってわたしになれない

わたしが持ってるものでそうなればいいのに

あれ、わたし何を持ってるんだっけ

己を見つめ返したところで
そこにあるのは空っぽな人間の形した器で

なんにも入ってない

惰性で生きてきた人間が
得られるものなんてまるでなくて

それなりに悲しい思いとか苦しい思いとか
嬉しい思いとかしてきたつもりだったけど

あまりにも軽くて、どうでもよくて
あーーーーーうん、そうだよねわたしってそうだ

なんにもないんだって

人生観が変わるような経験をしたわけでも
他人に説法できるような経験をしたわけでも
誰かに溺れるような愛をあげたことも
もらったこともない

なんにもなかった

だって
わたしの二十数年の人生で思い出せること

全然ない

なんとなく酸素を吸って
なんとなく二酸化炭素を吐いて
勉強なんかサボって
生きるために職に就いた

それだけ

まあないわけじゃないんだけど、
記憶に残ってるものなんて
そんな明るい話でもないから
人に話すようなことでもないし

誰かが言ってたなぁ
生きるために働くんじゃなくて
働くために生きてるって

まぁ、別に働くことを生きる意味とはしてないし
できることなら全然働きたくないけど
別に生きていたい理由もないから
実質そうなのかもなって思ったり。
思わなかったり。

本は好きだから
人の感情というか価値観というか
そういうのにはそれなりに敏感で

いろんなこと話すけど
別に実体験ではなくて

読んだ本の受け売りだったり
そこからわたしが思ったことだったり

全部誰かからのおさがりで、リメイクで、

考え方が好きとかおもしろいとか

それってわたしなのかな
わたしのものなのかな

あぁ空っぽだなって

だから、いいなって思う。

自分の信念があって
自分の意思で自分で考えたことを
誰かに発信して

わたしもそうできれば解決するんだろうけど
如何せんその能力すらなくて

きっと
惰性で生まれて
惰性で生きて
惰性で死んでいくんだろうな

ほら、今だって
自分が何話してんのかわかんなくなって
最初遡ってた

言いたいこと言えた?
言えてないよね

何が言いたかったんだろうなぁわたし

いいな、言いたいことをきちんと語源化できる人

すぐ人を羨むわたし、嫌いだなぁ

その2 はまたいつか。

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?