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普通の日々

普通って一番難しい。

大腿骨内部腫瘍の話が上がってから、バイクは止めた。
でも、結局は良性なので今も問題なく歩いている。

鬱になってから、タバコを止めた。
バイクも止める事になった。
流石にちょっと、ショックだな。

正直、病気で何かを諦めたのは初めてなので、
とても悔しくも感じてる。
全身、それ以外は全て元気だし、事実歩いているのは人並み以上にハードでも問題ないし。

最近は散歩だけでは飽き足らず、引っ越して山が近くなったのを機会に、トレッキングを始めた。
そんな大層な話でもなく、家から数時間歩ける範囲で歩いている。

息を切らしながら山を登っていると、ふと感じた。
ちゃんと、足があるって凄いなって。
幽霊的な話でなく、機能として足が存在する事に今さら驚いた。
悔しいかな、タバコを止めて肺機能が改善したことが功を奏している。

赤ちゃんの時って、誰でも一度は自分の足の裏を舐めてると思う。
聞いた話によれば、まだそれが自分の足と言う事に気づいていないらしい。
いじくるとくすぐったいのだが、これは何故だろう?
と思ってるらしい。

そんな発見に近い感覚だった。
自分の足で、一歩一歩、坂道を上がって行く。
少しずつ、自分の物だと認識していく感覚。

もし、あの腫瘍が悪性だったら今こんな風に歩けているのだろうか?
そもそも、癌だったら体力も下がってトレッキングどころではないかも知れない。
自分の今の当たり前は、脆い砂上の楼閣の上に成り立っているのだと、強く感じた。
そして、まだ自分の足で行きたい所に行き、したい事が出来るのは幸せな事なのだとも思った。


自己肯定が爆上がりします! いつの日か独立できたらいいな…