自戒

人と話す時に否定しない。言葉で言うのは簡単なんですけど、つい否定してしまう。時には無自覚に。

人と話すのが好きなんです。必ず得るものがあるので。

相手の人は自分とは違う人生を送っています。違う事を考えていて、違う価値観で生きている。だから会話の中で、意見の相違があるのは当たり前で、だから人と話すのが楽しいはずなのに、自分の考え方の方がより良いという自信があって、それを論理的に説明できる算段が立つと、相手の意見を否定し、それが何故なのかの説明を始めてしまう事があります。

反応はさまざまですが、感心して「確かに!」となる人もいます。僕は「良かった、間違いを正す事ができて嬉しい」となります。後で自分の傲慢さに気づいて自己厭悪に陥ります。

いつもそういうことになる訳ではありませんが、会話に勢いがついてくると、たまにやっちゃいます。それがもったいないなと思うんですよね。

さっきの例で言うと、僕は1+1の問いに対して2という答えを持っていて(1+1=2)、相手は1という答えを持っていたとします(1+1=1)。僕は絶対的な自信を持って、「ここにりんごが1個あって、そこにもりんごが1個あるでしょ?これを合わせたら、ほら、2個になります!」みたいな説明をします。相手は「確かに!」となります。でも相手の頭の中では、ここにりんごが1個あって、そこにみかんが1個ある。りんごとみかんが1個ずつある。って感じになっていたとします。その考えが正しいか間違っているかとか、面白いか面白くないかとか、そんな事はどうでも良くて、それは僕にはない発想で、僕はその発想に触れるチャンスを逃しているんですよね。1+1=1という答えを聞いて、自分が正しいという思い込みで相手の答えを否定しているんです。これは大きな機会損失で、たぶんいままで何度もやっちゃってるんです。

自信を持つことは大切なんでしょうが、傲慢になってしまってはいけません。

卑屈になってはいけませんが、謙虚さは大切です。

相手を否定し、ちっぽけなプライドを守ったところで、得るものは何もありません。

自戒を込めてここに記しておこうと思います。


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