【読書備忘録】ブラス・クーバスの死後の回想から硬きこと水のごとしまで
ブラス・クーバスの死後の回想
*光文社古典新訳文庫(2012)
*マシャード・ジ・アシス(著)
*武田千香(訳)
邦題通りブラス・クーバスが死後自分の人生を顧みる物語。別に幽霊が夜な夜な屋敷の住人の枕元で怨み言を語るのではなく、主人公ブラス・クーバスが死後作家として記述するのである。死後の世界で書き綴っているのか、それとも死後も現世にとどまっているのかはわからない。けれども本作品のテーマはあくまでブラス・クーバスの独白内容にあるのでメタ的解釈は置いておく。奴隷制度を継続した