空蝉クリニック　#物語の発想法を学ぶ #夏休み

#物語の発想法を学ぶ #夏休み 　のお題より。
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最近は管理職で高収入の女性が多いので、肌の若さを保つためにお金を惜しまない人も増えてきた。そんな人向けにグレーゾーンな美容術もちらほら出てきている。

空蝉美容術もその一つだ。クリニックで打つ不思議な注射を打って2日もすると、全身の皮がペリペリ剥がれてツルスベ肌になれるというのだ。背中の皮膚から亀裂が入って脱皮するので、残った皮はセミの抜け殻みたいにみえるらしい。

空蝉美容術を受けると老廃物が取れるので、肌がツルスベになるだけではなく、体が軽く感じるらしい。同じマンションに住む40代のSさんも、普段はコンサルの激務でクマがあるのに、透けるように明るい20代の肌になっている。ここ数日は体が軽くて嬉しいのか、廊下をよくスキップしている。今朝なんか、電柱にスイスイ登ってへばりついているのを見てしまった。元気があふれている。

でも、空蝉美容術はいいことだらけではないらしい。脱皮から10日もすると突然関節が思うように動かなくなり、５日間は苦しみ悶えるという噂を聞くのだ。手足がピクピクするので仰向けになってやり過ごすしかなく、痙攣がはげしくなると突然ジャンプしてまた倒れ込むらしい。

苦しむ期間をやり過ごしたらまた日常生活を送れるのだが、見た目の若さも元に戻ってしまうらしい。怪しすぎていつ政府の規制が入ることやら、、、

Sさんも明日あたりから家でおとなしくなるんじゃないだろうか。苦しむ期間が５日も続くので、空蝉美容術をやる人は決まって会社の夏休みの１０日前に施術するらしい。