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TOY BOX

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「好き」なものについて書いたnoteまとめ。 本、映画、展示、ライブは別マガジンです。
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記事一覧

誰かのために怒れるひと|煙たい話

喜怒哀楽の「怒」が無いよね、と言われてきた。 自分でもそうだと思う。無いわけではないけれ…

大麦こむぎ
3週間前
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「なんで」の自問自答が行き着く先|ひゃくえむ。

ある日、テレビで麒麟の川島さんが言っていた。 「『ひゃくえむ。』の4巻に人生の答えが全て書…

大麦こむぎ
1か月前
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原動力が自分だって良いよ|目隠しの国

「誰かのため」じゃないと頑張ることが出来ない、と思っていた。 だけど、それは巡り巡って結…

大麦こむぎ
1か月前
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2024冬の視聴記録

今年最初の視聴記録です。金土日が多め。 今まで同様、観た話数までのネタバレを含みます。 …

大麦こむぎ
1か月前
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「良いやつ」の免許なんて無いけれど|自転しながら公転する

書店で見かけるたび気になっていた『自転しながら公転する』。 全3話で昨年末にドラマ化してい…

大麦こむぎ
2か月前
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映画が繋ぐコミュニケーション|ケンガイ

漫画の「つかみ」の部分で言葉通り心を掴まれた。 冒頭のこの2行で一気に引き摺り込まれてい…

大麦こむぎ
4か月前
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「俺の感動」の見つけかた|ブルーピリオド

人と比較して感動しやすい方だと思う。 中学1年生の現代文の授業の時には、配られた教科書の挿絵を見て涙を流し、先生に呆れられたほどだった。ポケモンGOがリリースされた直後、思春期の息子とゲームをきっかけに家族で会話をする時間が増えたなんてニュースを見て出勤前に「良かったねえ」と泣いたこともあった。ドラマや映画、小説や漫画等でも物語の世界に没入して感動することは多く、夏の夜のやわらかな涼しい風にじんわりとしてしまうことだってある。 ただ、どれも対象があっての感動だ。 何かを観て

2023秋の視聴記録

毎年、秋がいちばん視聴本数が多い気がしています。ちょうど1年前は『エルピス』と『PICU』に…

大麦こむぎ
5か月前
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かわいいだけじゃない、ピューロランドで勇気を育んできた|小巻亜矢『サンリオピュー…

「思い出の中にあるピューロランドは輝いていた」 サンリオエンターテインメント代表取締役社…

大麦こむぎ
5か月前
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わたしの「好き」はわたしが決める

好きなものについて文章を書くとき、こわくなる。 文章が誰かを傷つけるものになっていないか…

大麦こむぎ
6か月前
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“恋”とは何かを問われたら|恋は光

たとえばウィンナーが残り5本だったとき。 夫が朝食を用意してくれる日はわたしのお皿に3本乗…

大麦こむぎ
7か月前
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2023夏の視聴記録

今夏は気持ちに余裕があるのか真面目にドラマを観ている気がするので、2年ぶりに記録として残…

大麦こむぎ
8か月前
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『孤独のグルメ』の効能

今年のGWはゴールデンウィーク、ではなく五郎ウィークでした。 というのもGWを目前に控えた5…

大麦こむぎ
9か月前
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"信じたい"という欲望|ロマンス暴風域

先日、片桐はいりさんのエッセイ『わたしのマトカ』を読んでいたら自分に通づる部分を見つけた。それは「妙なところで正義感を発揮する」というもの。これは決してポジティブな意味合いではなく、ページを捲るとこう言い換えられている。 ゆがんだ正義の味方。この表現が自分にぴたりと当てはまった。自分の中の正義が相手にとって正しいとは限らないし、押し付ける正義はもはや正義なんかじゃない。 そう思った。のに、すぐにわたしはやらかしてしまう。ドラマ『ロマンス暴風域』の芹香ちゃんに対して「ゆがんだ