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春のせい


たった1ヶ月、間があいただけなのに、noteに文章を書くのが随分久しぶりな感じがする。リハビリのつもりで、いつもより短めの文章を書いてみよう。


満開の桜は綺麗で、ピンク色の花がぎっしりと木を覆う時間は限られている。だから写真に収めたくもなるのだけど、満開の桜がずらっと並んだ桜並木は、なぜか落ち着かない。きれい過ぎて、心が少しざわざわしてしまう。

満開よりも、少し葉っぱが見えてきたくらいの桜が好きだ。季節の変わり目のあとの、夏の始まりがもうすぐ来るのを教えてくれる。緑色はつかの間ではなくて、これからも長い間続いてくれる。


日本という国は、春にいろんなことをまとめすぎている気がする。短期間だけ美しい桜に全振りした川辺の植栽もそうだし、この時期に年度が替わって、人が入ってきたり出て行ったりするのも落ち着かない。高校野球もプロ野球の開幕もこの時期だ。高校野球は、夏もあるけれど。


昼夜の温度差が大きくて、自律神経が乱れやすい時期に、人の入れ替わりも起きて、環境が大きく変化する。自分が新しい環境に身をおくとなると、さらに大変だ。花粉症だって対策しないといけないというのに。


ここ最近、久しぶりに調子を乱していた。大変だと思ったことがいくつかあったからなのだけど、冷静になったらどれもそれほどたいしたことではなくて、結局のところ、自分の体や心が乱れていたんだなあと思う。


満月のせいで頭痛がしたり調子を崩したりして、気持ちがしんどいのを満月のせいにする人が、身近に何人かいる。僕も、時々そうする。

自分のせいではなく、誰かのせいでもなく、満月のせい。きっと誰も傷つけない、良い考え方だと思う。

何か、大きな存在のせいにする。大きくてぶれないからこそ、安心して責任を押し付けられる。押し付けても、きっと許される。


今は、春のせいにしよう。春だからしんどいんだ。


大きくて尊いからこそ、嫌ってもいいし、わがままを言っていい。

しんどいのを春のせいにして、自分ができる、小さなことをして、少しずつ体と気持ちを整えていこう。


たまには遠くを眺めてぼーっとしようね。