幼稚園児がたった1か月で「平家物語」などの名文をすらすら読めるようになる音読ドリル
「えっ、本当にこの文章を幼稚園児が読んでるの?」
東京いずみ幼稚園で使われてきた音読のテキスト教材を初めて拝見した時、最初に胸に湧いた思いです。
実際に園にお伺いしてみると、枕草子に源氏物語、論語、おくのほそ道など、大人でも難しい漢字混じりの文章を、3、4歳児がスラスラと音読しているのです。にわかには信じ難い光景でした。
足立区にある東京いずみ幼稚園では、このテキストを中心に、42年間にも及ぶ音読指導を実践していて、その園児の数は累計5000人以上にものぼるといいます。
さらに驚いたのは、卒園児の平均IQが120以上を記録しているということ(通常平均100といわれている)。音読を通じて身についた国語力がベースとなり、 子どもたちの学力全体を押し上げている――この結果はそうした事実を示しているように思われました。
もし、このテキストを書籍化することができれば、近年低下が叫ばれている日本人全体の国語力を底上げするとともに、これまで同園に通わなければ手にすることのできなかった音読教材を、一般家庭でも気軽に楽しむことができるかもしれない。そんな思いを抱き、書籍化に挑んだのでした。
ただ、幼稚園には子どもたちを専門的に指導できる先生がいます。果たして、一般家庭でそれが可能なのかどうか?
そこで、本書ではこの課題を実現するために、同園で鉄則とされている音読のメソッドを初公開しました。
・まずは大人が楽しむ姿勢で!
・子どもが興味を持ちそうな作品を選ぼう
・できたことを心から喜ぶ&褒めよう
・録音・録画をしよう
・おじいちゃん、おばあちゃんにも褒めてもらおう
・・・などなど、他にもいろいろあります。ポイントは、大人自身が子どもと同じように楽しみ、子どもが一所懸命音読するのを心から喜び、褒める点にあります。
私がこの本の元となったテキストを初めて拝見した時、日本語の持つ奥行きの深さ、幅広さ、豊かさ、美しさに、じわじわと溢れるような喜びが湧いてきました。
同時に、これだけのテキストが一体どのようにして出来上がっていったのだろう、と強い興味を抱きました。
そして、本書がまもなく出来上がるという段になって、その疑問は解けました。
実は、同園の副園長を長年務めてこられた園長の奥様が、ご自身のお子様が生まれた時、わが子にどのような作品を読んでほしいか、どのような日本語に触れさせたいかを考え、真剣に吟味しながら、一つひとつ作品選びをしていったというのです。
その時に、初めてこの本が、子を想う一人の母親の愛から生まれたことを知りました。
東京いずみ幼稚園で40年以上行われ、今日も実践されている音読メソッドをご家庭でも。
国語に強くなる音読ドリル。
まもなく発売開始です。