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奇抜な挿絵が大人気。古文書『諺臍の宿替7編』ご紹介

以前からずっと欲しかった『諺臍の宿替(ことわざへそのやどかえ)』というシリーズのうち、七編一冊をこのたび幸運にも入手できましたので、その一部をご紹介します。

臍の宿替というのは、ヘソが引っ越しをするという意味で、つまりヘソがよじれるほど面白いということを指しています。そして、頭に諺がついているのは、誰もが知っている諺をいじくりまわして、ふざけた話に仕上げているからなのです。

江戸時代末期から明治初期、上方で大ヒットしたというこの古文書。全13編あるようなのですが、今でも入手困難で、いつも単体でしか売っていません。しかも結構高額なので、今回はそれでも頑張って購入できたのは、運がよかったの一言に尽きます。

大昔の持主が相当読み込んだのか、紙の劣化が激しく、手にしてほどなくばらけてしまったのと、思いのほかちょっと小さかったのがガッカリですが、やっぱり待ち焦がれた古文書が手元にあるのは、嬉しさひとしお。

今回は、特に強烈な絵柄のページをご紹介したいと思います。ぜひお楽しみください。

あまりにヤバイ絵なのでトップ画面は部分拡大にしましたが、もとはこちら

「人をケツに敷く」

こぅ、俺のような者が何人出ても
屁とも思わないのはさぁ、
どうじゃ、ブッとでも動いてみぃ、苦しいか。
苦しけりゃ、今に屁ひとつこいて
飛ばしてやりゃあ。

やぁやぁ、そうケツに敷かれては
さっぱりどうもならん。
もうもう、頭も身体もメリメリいって
まだこの上に屁までこかれては命が危うい。

そして大きなどんケツで、
息もできぬくらいじゃ。
これがホンマのクソ重たいというのじゃ。

あぁ、イタイイタイ。くるしいくるしい。

「ケツの毛むしる」

これこれ、おまえさんも偉そうに
あんまり人を尻に敷きなさんな。

男にかかると強いか知らんが、
私にかかったら何でもないことじゃ。

なんぼ大きな尻でも、今のうちに
からっケツにしてケツの毛まで
むしってあげるでぇ。

アハハィ、アハハィ、もぅ、眉毛も鼻毛も
おおかた抜かれてしもうたよって、
何もついでじゃ、スッパリと抜いておくれ。
いっそ剃ったらこれから抜かれぬ。

用心せんでもえぇ。
おまえに抜いてもろうたら本望じゃ。


【たまむしのあとがき】

訳していて、これはとても楽しかったです!

こういうぶっ飛んだものも、古文書のなかにはあるのですよ。

取り上げたものは超絶お下品なものですが、ほかのページには卑猥な絵もありますし、シュールすぎて笑えない絵もあります。

このシリーズを全部揃えてみたい欲が高まりました。

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