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地図が読めない、男。

ぼくは左利きなのですが下戸です。
お酒を多く飲める人を「左利き」「左党」「上戸」などと呼び。飲めない人を「右党」や「下戸」と呼びます。

人間は普通、お酒が飲めるものだそうです。
ところがある日、お酒をはじめとするアルコールを分解する酵素を持っていない、特異体質の原人がアジア地域に生まれ、その人(人か?)を祖先に持つ人は、お酒が飲めないと聞いたことがあります。
お酒が飲めない人はアジア人に多いのだとか。

もしもあなたも下戸なら、あなたとぼくは遠い親戚なのです。

こういった体質や性質、習性などというのは、深くDNAに刻まれ、脈々と受け継がれるものなのでしょう。
日本で200万部、全世界で600万部、42カ国でNo.1となったアラン・ピーズの超ベストセラー「話を聞かない男、地図が読めない女」もまたその証明の一つかも知れません。
この本では、女性は「空間認識能力」が劣っているため、地図が読めない人が多いとあります。

ところが最近、
「オレはジェイソン・ボーンくらい地図が読めるけど?」
と、そんな自信満々の男性にも読めない地図を見つけてしまいました。

これはハローワークの求人票に添付されている地図です。

ハローワーク求人票から抜粋

「面接の時間に遅れちゃダメだよ」
と言われても、この地図ではさすがに目的地には行けないですよね。
この地図は画像を埋め込んであるだけなので、ズームで地図が詳細になるわけでもありません。
住所があるので、それで他の地図アプリで調べる必要があります。つまり、この地図はいらない。役に立たない。

以前は「求人票に添付する地図を雑に描くと、会社の品位を落としかねないので丁寧に描くのじゃ」と企業向けの求人票の書き方の指南書にはあったそうです。

2020年にハローワークのシステムが変わりました。
多くの求職者の方々に、より詳しい求人情報や事業所情報できるようにとの趣旨です。
それに伴い事業所所在地の地図が、地図ソフトを活用した登録方式になりました。
ジェイソン・ボーンが読めない地図の誕生です。

頭の良い人たちが集まって高額なシステムを導入して、DNAの潮流をせき止めるつもりなのでしょうか。
このままでは地図が読めない女性どころか男性まで増え続けてしまいます。

この地図をせっせと求人票に貼り付けている人は何も感じないのでしょうかね。

世の中を良くしようとする色々な計画があります。とてもいいことだと思います。
が、何かちょっと足りない気がします。
成果を達成するだけではなく、もう少し相手への思いやりが必要なのではないでしょうか。

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