夫と過ごしたこの一年③

色々な事を乗り越え、私達夫婦には大きな記念の年となる2022年。
コロナと言う未知なる病が全世界を覆い尽くしてしまうよりも前、記念の旅行を計画し始めていた。

旅行をするなら国内で南へ行きたいねと言う一致した意見と、子供の頃に幼稚園がキリスト教だった夫の好奇心に促され、行く場所は【長崎県】に決定をした。
その中でも、夫は
「五島列島(離島)がいいよ」
と資料を集め始めた。
今では観光スポットの地の一つとして朝ドラで有名になり、名が上がっている離島ではないだろうか。

総じて歴史好きの私は夫の集めた資料やネットを見るうちに、すっかり五島列島の新上五島町(中通島)に吸い寄せられていった。

地理で位置を習ったくらいしか覚えの無い島には
「世界遺産群」
が存在をし、
それも2018年6月
「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」
として登録されていた。
そう言えばそんなニュースが流れていたな、と記憶が呼び覚まされた。

しかし旅行もコロナで中断だなと思い始めた2021年冬、夫が会社の検診で肝臓の数値が悪いと引っかかったのである。
そして2022年の年明け早々に、夫の足が異常な程浮腫んでしまった。

「病院なんて嫌いだ!」
と豪語する夫も観念して、近くに新しく開院した循環器系の内科を訪れた。
「詳しい検査をしなければなりませんが、恐らく肝硬変でしょう」

美しい島、五島列島、中通島への旅行は無くなったな…
そんな思いが渦を巻いていた
そして肝硬変と結果が出た頃には、黄疸症状も出始めたのである。

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