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夢、どうや? 第四夜

こんな夢を見た。

パート先の人たちとバス旅行に行くことになった。
バスは高速を降りて、住宅街に入る。

前方に小学校が見えた。

なんと私が通っていた小学校ではないか。
とすると、住んでいた家はあのあたり?と車窓から景色を追う。
当時は田んぼだらけであったが、最近はほとんど宅地化されたと聞いていた。
が、意外と田んぼも残っている。
平坦な田畑の中に、独特な形の建物がそびえたっていた。
まるでジブリの映画に出てきそうな不思議な形状だ。

「おれ小さい頃この辺に住んでてん」と後ろのシートのバイト君が言う。
「え?わたしも」と言うと
「めっちゃ偶然ですやん」と盛り上がる。

「あれ市役所らしいですよ」と、彼がジブリまがいの建物を指さして言う。
そういえば、市役所が母校近くに移転してきたと同級生から聞いたことを思い出す。
それにしてもあの形。
有名な建築家のデザインだろうか?
多数の工場を有するコンビナートや観光収入などで市の財政が潤っているのかもしれない。

バスは小学校を通り過ぎて、林の中の道を走る。
林の中の駐車場でバスは止まった。
「ここからは自由行動です」とガイドさんが言うので、皆ゾロゾロとバスを降りる。
バスの下方の荷物入れから、運転手さんが自転車を取り出す。
私の自転車だ。
何故自転車など持ってきたんだろう。
まあ、いいか…自転車があれば、後で昔住んでいたあたりを見に行けるなと考える。
ガイドさんは、この周辺の観光スポットなど何も教えてくれなかった。
「どこ行ったらいいんやろ?」
とりあえず私はパート仲間と、木立の間の道をあてどもなく歩きだした。
わたしは自転車を押して歩く。
新緑が風にそよぎ、木漏れ日が差し込む。
左右の木々の向こうには池なのか湖なのか、水がきらきら陽光を反射している。
散歩しているだけでも清々しい気分の道だ。

突然左側の木立ちが途切れ、開けた。その先に建物があった。白い壁に緑の窓枠。
赤毛のアンのグリーンゲイブルズのようだ。
そこはレストランらしかった。

ちょうどお腹も空いてきた頃だ。
私たちは店に入り、ピザやパスタ、ハンバーグなど思い思いのメニューを注文し、シェアして食事を楽しんだ。
食後のコーヒーを飲みながら喋っていると、ドアが開き、上司達のグループが入ってきた。
「私達もう終わりますのでここどうぞ」
と席を変わろうとすると、「いいよいいよ座ってて」と直属の課長。
少ししてから課長は「はい、これおやつにでも食べてね」とみんなにガーリックトーストを配ってくれた。

店の人に頼んだのかラップに包んである。
せっかくのトーストだが、コンパクトにするためか四つ折りになって圧縮されておにぎりのようになっていた。

これ、美味しいのか?
全員顔がひきつる。
でもそこはみんな大人。
にこやかに微笑んで「お気遣いありがとうございます」とお礼をいい、店を後にした。


すごーくおしゃれなレストランだったけど、四つ折り圧縮トーストとは店の人のセンス疑ってしまいます。
今回はパートの同僚や課長などリアルの人物が登場。
本当の課長(男性)は、バレンタインデーに手作りケーキをくださったり、夏場には課員全員に手作りシソジュースを持ってきてくれたりと、素敵料理男子です。
店の人がせっかくのガーリックトーストを四つ折り圧縮おにぎり状にしてしまったら、クレーム言うと思います。

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