2022/09/17

構造的に私と同じ場を占めている人、ゴダールの死を呆然と悲しんでいる人の、嘆きの言葉を聞き取って、私は容易く自らを相手に同一化する。この人は私と同じように、彼をかけがえのない存在として、その喪失に打ちひしがれているのだ。同じ魂のかたちをしている友達よ!手に手を取って、心の内を打ち明け合って、涙がこぼれるように話そうじゃないか!

野次馬的な傍観者たちの、彼に対する無関心を表明する腹立たしい身振りに隠れて、あなたが悲しんでいるのを見つけた。対象を断念することのない、喪の作業からの幸福な抜け道の在処をあなたは仄かに指し示す。彼が手渡してくれた世界の中で、一族のように、彼の思い出を語ろうではないか!


「愛の時速は68キロ。あと1キロ出せば…シックスナインだ!」(1)


(1)ジャン=リュック・ゴダール『メイド・イン・USA』(1967年)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?