【雑記】MinecraftがNFTを排除したらしい。色々調べたり考えたり。

最近、次のような記事が出てきた。MinecraftはNFTを禁止するようだ。そしてNFTのプロジェクトを進めてきた人は新しいマイクラを作ると豪語しているらしい。

さて、私もそろそろNFTについて調べてみますかねと重い腰を上げることにした。「NFTの教科書」読んだり各所の情報をチマチマ調べながらなぜマイクラがNFTを拒否したのか考えてみることにした。全く私の生活に影響があるわけではないが、頭の運動になってよい。

このNoteの内容はNFTを触ったこともない人があれこれ考える信憑性の欠片もない情報なので、適当に位置意見として参考レベルで聞いてほしい。触ったら実感を持ってまた記事にするかもしれない。

NFTについて調べてみる

NFT(非代替性トークン)は、つまりデジタルデータが唯一無二であることを証明できるしくみ、とのことだ。コピーが簡単だしその追跡も難しいのがデジタルデータだ。そこに暗号資産で有名なブロックチェーンのを使ってデジタルデータの唯一無二性を証明するらしい。とくに、

  • 中央集権ではなく分散管理であること

  • 所有権を移転・売買できるし、その記録も証明できること

が革新的として注目されているらしい。

たんに本人がデジタルデータを持っていることを証明するなら他の仕組みもある。しかし、既存のしくみはサーバが落ちてしまえば使い物にならない。しかも、せっかく手に入れたデータもサービス終了したり、アカウント削除したりされたりすれば消えてしまう儚いものである。さらに違法アップロードとかしてしまえば限定コンテンツが無に帰することもある。

その点、NFTは強い。数量限定品のデジタルデータとか、それこそ一点もののグッズやアートとか出せるようになるイメージである。しかも売買できるので、希少性が高まればプレミア値がつくことがある。簡単に言えば、MTGとかのレアなカードの取引みたいなことがデジタルデータでも可能になった、と考えている。

NFTは政府がないことで、場合によっては人々を守る世界を作れる可能性もあると思う。GAFAMとかTwitterとか大手に支配されない民主的な世界が作れる可能性がある。Minecraftだって現在はMicrosoftの管理下にある。鶴の一声でBANしたり、サービスを終了させることだってできる(今のところそういう問題は起きていないようだが)。NFTはたとえある1つのサービスが終了しようがNFTは消えないため、形式さえ合えば他のサービスで同じデータを引き続き使える可能性がある。

一方、既得権益が強くなる資本主義的な側面もある。所有権の取引という点から投機的なこと考える人達も一緒に集まってくる。架空世界の土地やデジタルアートは高値で取引されてるケースがある。注目されていないうちに今買っておけば価値が上がるんじゃないか的な流れがある。あくまでデータに価値があるのであり、NFTのトークン自体には価値はないのに。

NFTはあくまで唯一無二であることしか証明できない。意外にも正統性は証明できない。悪い例だと、すでに別人が権利を持っているデータを無断にNFTデータとして紐づけて売買することもできる。なんなら何の価値もないものを価値があるように見せて売りつける詐欺的なこともできる。なまじ唯一無二のデータだけにタチが悪い。そこは既存の法律と技術の範囲でどうにかするしかないらしい。

技術的な課題

NFTがまともに普及するには多分あと10年以上は必要なんじゃないかと思う。というのも技術的な課題がいくつかあるからである。

特に前から個人的に最も気になっていた技術的課題がある。それはトークンを生成する行為(マイニング)がコストは高いし地球環境にも悪い点である。ただしこの点は改善される見込みはあるらしい。

NFTのトークンを発行するためには、「電力を食う」計算を行う必要がある。PoW (要は暗号資産のマイニングと同じ) アルゴリズムというらしい。グラボの値段が上がった悪名高いしくみである。ただ、イーサリアムとか代表的なところでPoS (「マイニング」ではなく「鋳造」に近いらしい) アルゴリズムの採用が進んでいるとのこと。電力量が遥かに小さいとのことだ。

それ以外の課題もあるようだ。NFTを持ったからと言って実際のデータ本体を持っていないケースが実はよくあるということだ。

画像とか動画とか大きいデータ全体をNFTのトークンとして管理できればいいが、現状、コストの問題があってなかなか難しいらしい。現実はトークンにURIとか「在り処」だけ記載する例も多いとのこと。在り処の情報だけ証明して画像の実態は別にどっかのクラウドストレージに上がっているという寸法である。そうなると万一そのストレージからデータが盗まれれば普通にむん団転載されるし、データが消えれば無に帰す。結局NFTの目的を達成してない気がする。

他にもガス代とかコスト面でいろいろ問題はあるようだがこれも解決には向かってるらしい。ただ、時間はかかるとの見通しだ。

本題

さて本題だが、先程も例に出たMinecraftからNFTが排除されたという話で怒った人が出たようだ。「Microsoftは中央集権的」なので批判されているようだ。

しかし、上記の内容は筋違いではないかと思ってる。なぜならMinecraftはメタバースではないからである。Minecraftは第2の現実ではなくあくまでゲームである。ゲームにはNFTとは違うゲームの倫理がある。

ゲームはあくまでルールがある。そのルール上で人々は公平に機会が与えられている。Minecraftもあくまで統一されたルールはある(ただしゴールは自分で決められるし、結果も平等ではない)。もしゲームで管理できない場所で経済的にアイテムの売買ができてしまい、格差が生まれてしまえば公平な機会が損なわれる。RMT(リアルマネートレード)がゲーム側で管理されない限り原則禁止されているのもこうした理由がある。パズドラみたいなゲーム内容に影響を与えるガチャを嫌う人は私含めてこの倫理の過激派である。カードゲームは確かに経済格差こそあれど、特別に数万するようなレアなカードを持っていようがそれだけでゲームに勝てるわけではないし、禁止・制限カードもルールとして整備されている。

一方、厳密なメタバースの定義に従うと、メタバースはもはや第2の世界である。現実と変わらないので、始めた瞬間から格差がある。違いがあるとすれば肌の色とか家柄とか生まれつきの要因の差別が減るだけである。持ってる企業や有名な人はどんどん人が集まりやすい土地に高額で出店もするし、運や生産手段に乏しい一般庶民は誰にも見られない辺境の土地でわずかな経済活動するのが精一杯かもしれない。デジタルなので電車も車もなくていいし、移動の自由こそある程度担保されるだろうが、それにしても動画サイトの再生数格差とか見るとやっぱり人が集まるところには集まる点は現実と変わらないように見える。

現実の世界と何も変わらないメタバースが普及したらどうなるか・・・。SFの世界は割りと好きだし、おそらく便利にはなると思う。しかし、全員とは言わないが、一部のゲームユーザは現実とはかけ離れたもの体験したい、または現実を見たくない公平な世界にいたいからゲームにいるのであり、現実と変わらず格差が見え、持つ人だけが持つ世界を目の当たりにすれば、普通に現実のほうがマシだったと幻滅して帰ってしまうようにも見える。

そうなるとゲーマーとNFTの相性は良くないのも納得行くなとか考え始めてきた今日このごろである。



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