僕がKOMMONSを売却し、カンパニーCEOとして再出発する理由
国内最大級のカスタマーサクセスコミュニティを軸に傍楽*(ハタラク)に繋がる事業を展開しているKOMMONS代表の白塚です。
*傍楽:自分が楽にしたい「誰か」の役に立っている実感を得ながら働くこと
今日は、こちらのプレスリリースでもお知らせしている、KOMMONSをATOMicaに企業売却するに至った背景をお伝えできればと思います。
1. はじめに:KOMMONS売却・統合の概要
タイトルの通り、2024年7月31日をもって、3年半にわたって経営してきた株式会社KOMMONSを株式会社ATOMicaに企業売却し、10月1日をもって吸収合併され、株式会社ATOMica Platform開発本部 / KOMMONSカンパニーCEOに就任することになりました。
KOMMONSはここまで、本当にたくさんの方に支えられてきました。お力添えいただいた方々には改めてお礼を申し上げたいと思います。本当にありがとうございます。
もちろん、ここでKOMMONSから離れるわけではなく、ATOMicaのアセットを活用しながら、引き続きKOMMONSの事業を拡大し、「働くを、傍楽(ハタラク)に」の実現に向かって邁進して参ります。
また、これまでも会社の枠を超えて一緒に事業を推進してきたSuccess Goal Lab.株式会社(以下、SG Lab.)もATOMicaに同じタイミングでジョインし、KOMMONSに統合されることになりました。
SG Lab.の皆さんには、一人のメンバーも欠くことなく、新生KOMMONSの一員になっていただけることになり、僕のビジョンに共感し、受け入れてくださったSG Lab.のメンバーの皆さんにも改めて感謝を申しあげたいと思います。
これからKOMMONSは、ATOMicaのPlatform事業の立ち上げを担うKOMMONSカンパニーとなり、CEO/白塚、COO/大竹の体制で新たなスタートを切ることになります。
今回の意思決定に至った背景については、大竹も彼の視点でnoteを書いているので、よろしければセットでお読みいただけると嬉しいです。
2. 新生KOMMONSの今後の展望
ATOMicaの全国の拠点をご利用の皆様を、KOMMONSが運営するオンラインコミュニティに招待し、DX / CX領域における様々なスキルアップコンテンツを提供。
スキルを身につけたコミュニティの皆様をプロジェクト単位でアサインし、SG Lab.が行ってきたチーム型のBPO支援を通じて、全国の拠点でお付き合いのある企業を中心に事業価値最大化の支援を行っていきます。
このサイクルを回していくことで、日本全国の個人・企業に以下のような価値を提供していきます。
To: 自分らしく働きたいすべての個人
DX / CXを中心とした研修プログラムやDX / CXプロジェクトの案件紹介を通じて、自身の強みを活かし、自分らしく働ける人達を増やす。
To: DX / CXを必要とするすべての企業
企業の課題に合わせて、適切なプロジェクトチームを構築し、DX / CXの業務設計から実行までを一気通貫で支援することで事業価値の最大化に繋げる。
前述の実現したい世界を、ATOMica, SG Lab., KOMMONS 3社がそれぞれで培ってきたアセットを掛け合わせることで、より早く、大きなスケールで実現していきます。
新生KOMMONSとしての初期のサービスメニューは以下を想定しています。
こちらの詳細についてはまた別途noteを書こうと思います。
3. 事業売却を決断した背景
ここまで、新生KOMMONSとして実現したい世界や、それをどのように実現するかについて、説明してきました。
ここからは、今回事業売却に至った背景についてお伝えしたいと思います。
3.1. 起業に繋がる原体験
詳細は、こちらのnoteに記載していますが、僕が起業を決意したきっかけになったのは、新卒での原体験でした。
新卒で総合商社に入社し、CX領域に投資する部門に配属され、投資先への営業支援や新規事業の戦略策定支援などを行った後、大手コールセンター事業者の沖縄拠点に出向になりました。
担当していた大手IT企業向けのコールセンターでは、消費者と企業双方に対するサポート/サクセス業務のBPOを担当していました。
そのプロジェクトは適切な人的投資がなされない為に、属人化が進み、現場の方々の頑張りだけでなんとか回っている状態でした。彼らはそんな中でも「顧客に価値を届けたい」という想いで真摯に仕事に取り組んでいました。
しかし、会社が顧客と合意している提供価値と実態に乖離がありすぎたため、どれだけ頑張っても現場の方は評価されることはありませんでした。
会社と顧客の板挟みにあって苦しむ現場の方々を見て、こんな状況は絶対におかしい。彼らのように、「誰かの為に頑張れる方々がちゃんと顧客に向き合い、価値を生み出せる社会に変えないといけない」と感じ、起業を決意しました。
3.2. 起業時にKOMMONSとして実現したかったこと
現代では何かを知っていたり、何かができたりといった能力(Can)が評価されがちです。ただ、加速度的に技術が発展し、情報取得が容易になる中、能力による差は生まれにくくなり、それ以上に何かをやりたいという意志(Will)に価値がある時代になっていくと思います。
ビジネスをする上で、「儲かるか?」という経済的な価値尺度はもちろん必要ですが、ビジネスの本質は「誰をどう楽にしたい」か。
「儲からなくてもこの人の助けになりたい」「自分はこの業務が楽しい」「同僚に感謝されたい」など、働く理由は人それぞれで、経済的報酬以外の尺度を重視する人がいても良いはずなのに、そういった人が自分らしくいられないことが多いと感じます。
社会や一般常識にとらわれず、一人ひとりが、自分が、楽にしたい「誰か」の為になっている実感を得ながら働ける(=傍楽、ハタラク)世界を作りたい。そう考え、「働くを、傍楽に」というVisionを掲げました。
そして、「誰かの為になりたい」という想いさえあれば、どんな人でも、その想いを叶えられるように、会社の境界を超え、必要なノウハウやリソースを見つけられる人材の共有地という意味を込めて、KOMMONS(コモンズ)を会社名にしました。
3.3. 事業立上げで感じた手応えと消えなかった違和感
ビジョンの実現に向け、カスタマーサクセスコミュニティ「CS KOMMONS」を運営し、個人に対する情報発信やキャリア支援を行い、企業には、CSの専門家をマッチングする形で、コンサル支援や、BPO支援を行ってきました。
ありがたいことに、CS KOMMONSの登録者は1,200名を超え、国内最大級のCSコミュニティに成長し、これまで100件を超えるCSプロジェクトに携わらせていただきました。
CS KOMMONSの皆さんからは、プロジェクトを通じて、「自分のスキルが誰かの為になることがわかり、自信になった」「本業とは別で、自分が助けたい方を支援できた」という声をいただき、ビジョンの実現に繋がっている手応えを得ることができました。
また、CS領域であれば、よほどのことでない限り、顧客の期待に応えられるようになりました。
今の事業を単体で伸ばしていくだけでも、十分価値を生み出せる自信はあった一方で、「沖縄で一緒に働いていたHさんがCS KOMMONSを知って登録してくれるか?」「いまKOMMONSで受けているCS案件を依頼できるか?」という問いに対し、自信を持ってYESと答えられませんでした。
既に経験やスキルがある方々に、より傍楽できる機会を提供することはできるようになったが、今のままだと、元々救いたかった、自分の強みや可能性にまだ気付いていない人たちに傍楽してもらうことは難しいかもしれないと感じていました。
そこで、考えるようになったのが、BPO事業者としての価値提供でした。
KOMMONSが、業務設計から代行まで一気通貫で対応することで、上記のような方々が、KOMMONSのプロジェクトチーム内で、ある程度難易度を抑えたCS / DX業務に対応できるようになるはずだと。
3.4. 南原さんと話す中で再認識した自分のやりたかったこと
ATOMica Co-CEOの南原さんから声がかかったのは、そんなことを考えていた時でした。
南原さんとこういった話をする中で、自分の実現したい世界をより実現できる意思決定はこっちだという確信を強めていきました。
3.5. 大竹さんとだからこそできた意思決定
大竹さんとは、SG Lab.の創業前からCSプロジェクトでご一緒したのをきっかけに交流を深め、実現したい世界観と、考えている山の登り方が驚くほど自分のイメージと近く、いつか絶対一緒に働きたいと考えていた方でした。
SG Lab.を創業される際にもCOOとして声かけをさせていただき、一旦は別々で会社を経営していくことになりましたが、業務委託としてずっとKOMMONSに関わっていただいていました。
改めて、ATOMicaへのグループジョインを検討し、CS BPOを主軸に事業を展開していこうと考え始めた時も、最初に大竹さんの顔が浮かび、大竹さんと一緒なら、必ずVisionを実現できる。一緒にやれるなら、挑戦してみようと最初から決めていました。
ありがたいことに大竹さんも僕を信頼し、一緒にやりたいと思ってくださっていたおかげで今回こういった形で一緒になることができ、本当に嬉しく感じています。
4. 本気で日本中の働くを、傍楽に
このような経緯もあり、ATOMica、SG Lab.と一緒になることで、より早く、より多くの人に傍楽を届けられると考え、この意思決定をしました。
今後の新生KOMMONSとしての戦略方針は大きく4つです。
1. プロジェクトマネージャーを採用・育成し、KOMMONSとしてサービスの提供品質を担保する
2. 業務設計もできるBPO事業者として、業務の代行と標準化を同時に進めることで、企業の生産性を高めつつ、専門家以外の方々にも働く機会を提供する
3. 各業界・職種のDXを支援するCS人材にDXプロジェクトにも参画いただくことで、活躍の機会を増やす
4. ATOMicaの地域拠点を生かし、全国の働き手や企業と繋がることで、KOMMONSのサービスをより多くの個人・企業に届ける
KOMMONSは、チーム型のDX / CX支援サービスを提供しながら、地域拠点で繋がった全国の方々が傍楽できるように、様々なサービスを提供していきます。
起業してから理想の世界観はずっとあったものの、そこへの道筋を探し続けて、3年半が経ちました。本当にここまで長かったですが、やっと道筋が見え、後は形にしていくだけです。
noteを読んで、少しでも共感・興味を持っていただいた方はぜひお話しましょう!
Xでもカスタマーサクセスに関する情報発信をしているので、ぜひチェックしてみてください。
X:https://x.com/cskommons