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ふふっ……クスクス……。 “ 笑ってる。小さな女の子……由奈(ゆな)? “ 江里(えり)は…
めったに外泊しない奥さんが、郷里の同窓会とかで、今夜はお留守。家にはあなたと私、それに…
赤いキツネは考えていた。 暗い。ここはひどく暗い。見上げても星さえ見えない……。 で…
11月下旬。冷えて澄み切った街の夜空に、クリスマスのイルミネーションが華やかな彩りを添え…
「近頃の若い者(もん)は」とか口にすると、それだけで年寄り扱いされるから、言いたくはないん…
真夜中の公園から、香ばしい匂いが漂ってきた。 餅だ! 間違いない。正月によく食べる、白く…
吾輩はロボットである。名前はまだない。出荷前だからだ。倉庫にずらりと並んだ同型のロボット達。その中から吾輩を識別できる違いは、背中のプレートに刻まれた、D3176というシリアルナンバーのみである。 我々は皆〝その時〟を待っている。高度なAI(人工知能)を搭載した家庭用万能ロボットとして売られていく、その時を……様々に夢見ながら。 どんな家庭で暮らすのか。家族はどんな人々か。自分はその人達のために、どんな仕事を任されるのか。その人達は、自分にどんな名前をつけてくれるだろ
そこは、子供なら誰もが憧れる夢の国でした。広い敷地に様々な遊具や乗り物がそろい、立派な…
家の中の重苦しい空気をよそに、窓の外には爽やかな秋空が広がっている。紗理奈(さりな)は…