奥道後吟松亭で二日間お茶事のお稽古
12日と13日の二日間、奥道後にある吟松亭でお茶事のお稽古をしてきました。
吟松亭は、祝谷にあった「拾翠庵」を奥道後に移したもので、慶安の頃、久松定行侯(諸説あり)によって造られた躙口は貴人口になっており、つつじの床柱、黒松の天井板など贅をつくしたお茶室で、後年嘉永年間に玄々斉により若干手が加えられ小間の壁隅三尺の高さに釘箱棚などが加えられたとされます。広間の書院にはつぼつぼの通し欄間があり、玄々斉らしい好みが現われていると言われてます。
初日はお客様として次客をさせていただき、二日目はおもてなし側として薄茶点前を経験させていただきました。
2階の待合で白湯をいただき、席入りして拝見を済ませ一汁三菜の懐石料理をいただきます。はじめに炊き立てのご飯、汁、昆布締めのお刺身の向付が出され、煮物、焼き物、吸物、八寸、強肴が出され湯と香の物までのいわばフルコース。いただいてから懐紙で腕を綺麗に押さえ、そこに次の料理を入れていきます。普通の茶事であれば亭主が全てひとりでやりますので、たくさんのお皿を使わずに済むようにお客様側の配慮でしょうか。お酒も振舞われますのでそれをいただくのも楽しみです。食事が終わると全員で箸を落として食事が終了したことをお知らせ。炭を整え、主菓子が出されます。初日と二日目はお菓子も違っており風情を感じました。
お菓子をいただいて中立。お客様が出られた後にお軸をお花に変え部屋の室礼を整え直します。鳴物(今回はドラ)を鳴らし準備が整ったことをお知らせします。今回二日目には初めてドラを鳴らせていただきました「大 中 小 小 大…」と強弱をつけて鳴らします。気持ちいいですよ。
後座の席入りでお花を拝見し、濃茶点前が始まります。その後煙草盆と干菓子を運び薄茶点前。袴の捌き方が難しく、お点前の写真を見ると美しくないですね(笑
普段袴など着る機会も無いのですが、普通のお稽古でもできるだけつけて慣れないといけないと思いました。長襦袢の袖が出てるのも気になって気になって…(笑
また光の方向に背中を向けて座っているので茶入れの柄を合わせるのが暗くて一苦労。柄がずれないように蓋を開け、戻すようにしないといけませんね。茶入れは即中斎の花押がある中次の片輪車。茶室の中で見ると金色も落ち着いて見えてより美しいですね。茶杓は宗完宗匠が瑞雲とつけられた宗彭作のいいお道具を扱わせていただきました。
お客様と、おもてなし側両方させていただくことで多くの気づきもあり大変勉強になりました。このような貴重な体験ができて幸せでした。佐藤先生ありがとうございました。社中の皆様もお世話になりました。どうかお疲れが出ませんように…
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