マガジンのカバー画像

茶の湯とは…

81
茶室を造らせて頂き日本の伝統文化の素晴らしさを再認識。茶室がもっと沢山造られる住文化を取り戻したい…数寄屋、茶室のことを設計(施工者)視点で発信していきます。
運営しているクリエイター

2023年3月の記事一覧

炉縁について

炉縁(ろぶち)とは、炉の炉壇の上にかける木の枠のことで一般的に小間に用いられる木地縁(きじぶち)と広間(四畳半以上)で使用される塗縁(ぬりぶち)がある。 木地縁は、使うたびに洗うので洗い縁とも呼ばれ、深山の沢筋に生えていた沢栗材を使ったものなど水に強い材種が用いられる。 他に、黒柿(くろがき)、黒い縞模様が表面に現われた縞柿(しまがき)、桑、桜、紅梅、松、桐、杉などさまざまで、北山丸太などを使った丸太物や、東南アジアのマメ科の鉄刀木(たがやさん)、中国原産の花梨(かりん)な

喜寿のお茶事に、お招きを頂きました。

来月のお茶事のご案内を頂きました。佐藤先生の所や、京都で体験をしているものの、他の先生の所へ行くのは初めて…緊張と不安もありますが、楽しみも一杯です。お手紙を頂いたのでお返事を書くところからお茶事は始まります。 佐藤先生にお返事の仕方を教えてもらい、お返事を出したいと思います。筆ペンの練習を始めたものの付け焼き刃ですが、字が汚い分はなんとか感謝のお気持ちでお返ししたいと思います。 四月七日の予定ですので桜の花はどうでしょうか。いずれにしてもドキドキのお茶事になりそうですが

畳(たたみ)について

茶道において、畳半帖は3歩で歩く(表千家)、座る位置は縁から20目、茶筅(ちゃせん)と棗(なつめ)は5目あける。点前は全ての道具が一番美しく見える置き場所があり、茶室にとって畳は重要なものです。 畳は京間(本間)1908mm(6尺3寸)×954mm(3尺1寸5分)を使い、畳割りで柱の配置をしていきます。京間の畳の場合、畳の井草(いぐさ)の目は約63.5目となり、半端となる0.5目は炉と反対側になるように畳を敷きます。畳のヘリは、麻の黒ヘリを使うのがいいのですが、麻のヘリは入

蛭釘(ひるくぎ)

この前、蛭釘が合って炉が切られている和室をリフォームしていて、蛭釘を大工さんが処分してしまったらしくてどうしたらいいんだろうか…と、ハウスメーカーの営業の方が事務所に相談に来られました。 どこで手に入るものなのか、取り付けの方法、取り付けの向き…意識していないと何のための釘かわかりませんし、茶道を知らないと捨ててしまうのも理解できます。 茶室の炉に掛ける釣釜の自在を吊るためのものを蛭釘(ひるくぎ)といいます。蛭釘という名はフック部分がヒルに似ているからで、お湯の入った重量