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茶の湯とは…

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茶室を造らせて頂き日本の伝統文化の素晴らしさを再認識。茶室がもっと沢山造られる住文化を取り戻したい…数寄屋、茶室のことを設計(施工者)視点で発信していきます。
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会記

昨日の地震はびっくりしました…松山市も震度4でしたが、揺れの時間も比較的短く我が家はものも落ちず大丈夫でした。ご心配いただきご連絡頂きました皆様ありがとうございました。南予の方が震度6ということで被害も予測されます…できることをこれからしてきたいと思います。 お茶会において客が身支度を整えてお席に呼ばれるまで待つ場所、待合(まちあい)には使われているお道具類の入っていた木箱が並べられ会記(かいき)が置かれます。道具類は例えばお茶碗であればどこで焼かれたものなのか、誰が焼いた

右巴敷きと卍敷き

次月から着工するリフォーム工事の図面を見直しながら… ふっと思ったのが四畳半の畳の敷き方。 四畳半で多いのはこちらの左側の敷き方、いわゆる一般的には祝儀敷きと呼ばれる敷き方です。敷いてはダメなのは右側の敷き方、こちらは不祝儀敷きと呼ばれお葬式などでの敷き方になります(古民家は畳割の間取りなので昔は祝儀や不祝儀で畳は敷き変えていました。今は柱割りなので敷き変えはできません)。 左が祝儀敷き、右が不祝儀敷き 今回のリフォームでは図面のように半畳の畳が真ん中にきて、残りの4畳

守破離

スポーツなどでよく使われる守破離(しゅはり) 師弟関係を示した言葉で、「規矩作法 守り尽くして破るとも離るるとても本を忘るな」千利休の言葉です。 修行に際してまずは師匠から教わった型を守ることから初め、身についたならば自分にあったより良いものを模索し破っていく、そして既存の型に捉われることなく離れて自在となることができ新しい型や流派が生まれる。最後の本を忘るるなとは、教えを破り離れたとしても根源の精神を見失ってはならないということが重要であり、基本の型を会得しないままにいき

千利休がお好み焼きを作った…

織田信長や豊臣秀吉に仕えていた千利休は当時は時代の最先端をいっていた。 新しいものが好きだった織田信長は千利休を特に気に入っていたようで、武士達に茶道を教え教養をつけさせていたという。 千利休自身も新しいものを発明し、茶道文化を大いに発展させてそれまでの煌びやかで高価な道具を用いる茶道ではなく、質素な侘び茶の世界観を完成させ、草案の小さな茶室に似合う素朴で手捻りでつくる楽茶碗を考えお茶そのものを楽しもうとした。 茶菓子においては小麦粉を水で溶いてケシの実などを混ぜ、丸く薄

初釜へ…

昨日は社中での初釜でした。年の初めに社中の皆さんで集まってお茶を楽しみます。今回は正客を務めてさせて頂きました。 あいにくの運び雨でしたが、雨男だけに仕方ないですね。先生のお家に伺い、袴をつけて待合で白湯を頂きます。 皆さん揃ったところで席入りしてお床とお道具を拝見。 客が私も含め男性二名に新居浜組の皆さんと山口からもこられた女性の五名で計七名、亭主と半東さんが松山組で先生と娘さんも裏に入って料理を作って頂きました。ご挨拶の後先生の手作りの懐石料理を頂きます。どれも目に

初釜とは

新年を迎えて初めて釜をかけることを初釜(はつがま)といい、年が明けて最初に行われる茶会、あるいはお稽古はじめの日でもあります。 「お初釜」と言ったりもするそうです。 お稽古している方にとっては、一年に一度の初釜は楽しみです。 流派や社中によって様々ですが、私の習っている社中では昼前に集まり、待ち合いで社中の皆様と挨拶をして、席入りをして床の間やお道具を拝見して、先生にご挨拶をして初炭手前があり、懐石を頂きます。今年は松山組が準備の方を、新居浜組がお客様側をする予定ですが私

初志貫徹(しょしかんてつ)

初めに心に決めた志を最後まで貫き通すこと。初心とは思い立ったときの最初の気持ちや志。貫徹はやり通す、貫き通すこと。 茶室を造らせて頂いた時に、日本の伝統建築の美しさを感じ面白い仕事だと思いました。初めにお仕事を頂いた時は、興味が半分、怖さやが半分でした。知識も経験も無い分野なのでちゃんと満足いただけるものができるのだろうか…不安もありました。ご要望をお聞きして、とにかく資料をかき集めかかりっきりで図面を引きました。図面を引きながらも細部の納まりなどは解らないことも多く完成す

茶の湯住宅正会員公開

茶の湯住宅推進機構では茶の湯住宅推進のための人材育成をしています。茶の湯住宅プロデューサー資格です。資格者の方から当機構の理念に共感し積極的に活動いただける方を正会員として認定させていただいています。正会員の方はお客様のご要望に対応できる実力をお持ちの方々ですし、当機構にて設計や材料、施工についてのサポートもおこないます。各地域の正会員の一覧表を公開しました。会社名をクリックするとそれぞれの会社のウェブサイトが確認できます。またメールのマークをクリックすると直接問い合わせが可

茶の湯住宅推進機構…設立

お客様のところに伺った際にお茶を出して頂き、作法も何も知らなかったので知りたいと思い習い始めた茶道。表千家も裏千家さんも何も知らずに飛び込んだ先が今の表千家の先生のところ。凄く敷居が高いイメージがいい意味で裏切られ、美味しいお茶とお菓子をいただく癒しのひとときでした。 初めのうちは仕事も出張も多く中々行けない時もありましたが、お茶を習い始めたと周りに話してたら茶室のお仕事が飛び込んできて、先生の茶室も手掛けさせていただきました。茶室の仕事をさせて頂き日本文化、職人育成の視点

熊倉功夫先生による利休の茶講演会

今日は生活文化センターにて「茶の湯文化にふれる市民講座」でした。 講師は国立民族学博物館 名誉教授で、MIHO MUSEUM 館長の熊倉功夫(https://ja.m.wikipedia.org/wiki/熊倉功夫) 先生。 利休の茶という内容でお話し頂きました。千利休はアバンギャルドなお茶人であり、豊臣秀吉に切腹させられた理由についての考察や、千利休が古い固定概念を壊して新しい茶の湯文化を生み出したお話しや、以前皇居に行かれた際には煎茶と紅茶しか出ずに抹茶が無かったなどユ

茶の湯住宅プロデューサー合格発表

第1回茶の湯住宅プロデューサー資格の合格者を発表致しました。 10月の愛媛プレ講習、11月の全国での講習を合わせて50名の茶の湯住宅プロデューサーが誕生いたしました。合格されました皆様おめでとうございます。 資格者の皆様は都道府県ごとに講習申し込み順にお名前を敬称略にて掲載しております。もしお名前の掲載を希望されない場合にはお手数ですがご連絡いただけると助かります。 資格者の皆様には郵送にて合格通知並びに認定証書を発送しておりますので到着後お名前などにお間違いがないかご

形こそ 深山がくれの 朽木なれ 心は花には なさばなりらん

形こそ 深山がくれの 朽木なれ 心は花には なさばなりらん 朽ちかけの木に見えるが、今でも花を咲かせるぐらいの気持ちは秘めている… 古今和歌集より。 50歳を超え、来年には57歳になります。50を超えると天命を知ると言いますが、今までの人生を振り返ると長かったような短かったような… どうでもいいことに腹を立てたり、いつまでも悔やんだり、あるいは天狗になることなど人生で起きたいろいろなできごとが脳裏を去来しますが、過ぎ去った過去を思い返すとやたら懐かしさがこみ上げてきま

太子講

大工技術者には49歳で亡くなった聖徳太子を大工技術の祖として奉讚する太子講(太師講)をおこないます。聖徳太子「廐戸皇子(うまやどのみこ)」は法隆寺「創建当時は斑鳩寺(鵤寺 = いかるがでら)」の建設にあたり朝鮮半島から大工職人(工匠)や瓦職人を呼び寄せ木造建築の基礎を築いたとされており太子講は大工や左官、瓦屋、桶屋、畳屋、下駄屋、指物師、曲物師、木型屋、鳶、 屋根葺き、建具屋、井戸屋、杣、樵、鍛冶屋、石工などの職人の間で行われる行事です。 聖徳太子の忌日二月二二日にその講中で

茶の湯住宅プロデューサー後半戦

月曜日、飛行機にて伊丹へ。新大阪に移動してランチは明石焼きとたこ焼きの粉もんをダブルで…幸せなひと時です。 大阪にて茶の湯住宅推進機構プロデューサー講習を開催。8名の方に受講いただきました。 終了後は兵庫の鶴谷さんと大阪の木村さんと反省会… 鶴谷さんと別れて木村さんと二軒目へ。結構飲みましたが楽しい夜でした。 ご馳走様でした。 火曜日は広島での講習予定でしたが集まらず、無念のキャンセル。またリベンジしたいと思います。代わりに念願だった兵庫の竹中道具館へ…明日また詳しく書