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茶の湯とは…

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茶室を造らせて頂き日本の伝統文化の素晴らしさを再認識。茶室がもっと沢山造られる住文化を取り戻したい…数寄屋、茶室のことを設計(施工者)視点で発信していきます。
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2023年1月の記事一覧

茶の湯にまつわる言葉と道具Ⅲ

炭点前(すみでまえ) お茶の湯を沸かすために、風炉(ふろ)、炉(ろ)とも炭を客(きゃく)の前で入れる初炭点前(しょずみてまえ)と、濃茶(こいちゃ)から薄茶(うすちゃ)になる際に火の勢いが衰えていたら火を直すためにおこなう後炭点前(ごずみてまえ)がある。 炭斗(すみとり) 炭手前の時に炭を入れて持ってくる籠(かご)などの入れ物。 羽箒(はぼうき) 釜(かま)の蓋(ふた)や風炉(ふろ)や炉(ろ)についた塵を払う。 火箸(ひばし) 炭火を扱うための金属製の箸。 釜敷(か

茶の湯にまつわる言葉と道具Ⅱ

茶事(ちゃじ) 、茶会(ちゃかい) 茶事とは懐石料理(かいせきりょうり)を食べることからはじまり、濃茶(こいちゃ)と薄茶(うすちゃ)をいただく正式な流れ。茶会は大寄せとも呼ばれ茶事の略式のスタイル、大勢の方を招いてお茶とお菓子でもてなす。 拝見(はいけん) 香合(こうごう)や茶入(ちゃいれ)、茶杓(ちゃしゃく)、仕覆(しふく)などの道具を客が見ることを所望し、見せること。 茶入(ちゃいれ) 薄茶(うすちゃ)を入れる木製の棗(なつめ)に対する陶磁器製の茶器(ちゃき)。濃茶(

茶の湯にまつわる言葉と道具Ⅰ

  *流派により使う道具や形は異な。ここでは一例としてご紹介する。 流派(りゅうは)  茶道(さどう ちゃどう)は戦国時代から安土桃山時代に堺の商人であった千利休(せんのりきゅう)が侘び茶を完成させたが、孫の代になりそれぞれの孫たちが、表千家(おもてせんけ)、裏千家(うらせんけ)、武者小路千家(むしゃのこうじせんけ)の三千家(さんせんけ)と言われる流派を生み出した。それ以外にも様々な流派があり、その数は500を超えるとされる。 客(きゃく) お茶を飲む招(まね)かれた

茶事の流れ

*一般的な流れであり流派などにより異なりますのでご了承ください。 準 備  茶事の流れは準備から始まる。計画を立て茶事の目的、趣向、客組、日時を決め案内状を送り、亭主の招待状に対して客は招待されたお礼のため挨拶に伺う(前礼)。亭主は客が決まれば道具組をして前日より茶室と露地をきれいに掃除する。 寄 付  当日、招かれた客は門や玄関の木戸が少し開いて手がかりがあれば準備が整った合図なので家人に案内を請うことなく中に入り、定刻の少し前に寄付(よりつき)に集合する。 客が揃う

茶の湯とは  

一期一会(いちごいちえ)。この言葉を聞かれたことも多いと思う。意味としては、今この時この場での出会いは、二度とない一度だから大切にし、心を込めて接しようということです。 茶道(さどう ちゃどう)とは、茶の湯(ちゃのゆ)とも言われ日本の伝統的な様式に則り、亭主が客にお茶を点て(たて)て振舞い、客人は亭主のもてなしを受け、お茶をいただくこと。お茶の点て方、点前 (てまえ)、飲み方、座り方、礼(お辞儀)の仕方、立ち方、歩き方の動作にも様々な作法がある。茶道は単にお茶を客人に振舞い

お茶室を学ぶテキスト、校了です。

昨日は寒かったですね…自宅は海に近いので雪はさほど降らなかったのですが、気温が松山も−4度まで下がりました。10数年に一度の寒波ということでしたが、なんとなく初めて経験した気がします。特に問題はありませんでしたが、皆様も事故や損害はなかったでしょうか。 今日の午前中でやっと一区切りがつきました。昨年から書き進めていたお茶室のテキストを先ほどサンプルで少部数印刷に出しました。10日ぐらいで届く予定なので楽しみです。 持ち運びしやすいB5サイズで、ページにして134ページ、古

茶室の間取り…

最も小さな茶室は千利休が造ったとされ、大きさは一畳台目。台目とは普通の畳の3/4の大きさになります。4畳半以下の茶室は小間(こま)と呼ばれ4畳半以上は広間と呼ばれます。4畳半は広間と言わずただ4畳半とも呼ばれます。 4畳半はつまり小間でもあり広間でもあるという感じでしょうか。 茶室の大きさと有名な茶室を間取り化しました。 小間から4畳半 広間 松風楼は…残月亭は… 無色軒は… ここにあげたもの意外にも有名なお茶室は沢山あります。茶室について施工者の視点でまとめたもの