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2024年4号【別館】

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今週の表紙:押韻島の代表的なホットスナック「SIX焼き」
太い鉛筆と緑クーピーの削りカスがトッピングされる

本当か?


《バレンタイン直前》めちゃモテ韻特集

韻でモテようとする了見

2月14日は「男女の出会いの日」「恋人の日」として定着しているバレンタイン・デー。キリスト教の文化圏で発展したこの催しは日本においても広く受け入れられ、特に製菓企業のプロモーションが人口に膾炙した結果、親しい間柄の人同士でチョコレートを贈り合うイベントと化しています。
積極的に異文化を取り入れることを是としている押韻島にも勿論バレンタイン・デーが存在します。中には相手を想ってプレゼントを贈り合うプロットに則り、粋な韻を忍ばせておく島民もいるとかいないとか。
過去には押韻島放送局のバレンタイン特集で某大御所ライマーが「韻でモテようとするなどけしからん!ライマーが軟派でどうする」とぶちあげ議論を呼びましたが、「モテる」ということは自分が「持てる」人間であると主張するということです。
動機やその結果はともかく自分の「持てる」部分を見つけ、磨こうとする行為は、ただ己が「持たざる」人間であると卑屈になって必要以上の自覚症状に苛まれているよりは魅力の向上に繋がるのかも知れません。見た目が優れた人は見た目を、喋りが立つ人は喋りを、金持ちは金を使ってアピールするように、ライマーが韻でアピールしようと思い立つのも、動機やその結果はともかく決して根底から否定されるべきアイディアではないと言えるでしょう。
ただし、「持つことができる」という意味で「持てる」人間であることも、他者を惹きつけ、良好な関係を築くための大前提として心得ておかなければなりません。即ち相手を慮り、相手の立場を想像し、相手と思いやり合える人間であることです。
これらはコミュニケーションの基礎にも通ずる部分であり、我々が社会の構成員である以上は必須レベルのステータスでもありますが、特に今後うまく付き合って行きたいと感じている相手に対して、バレンタイン・デーを機に関係を深めたいと思っている期間においては意識して実行できると吉。
例えシチュエーションやタイミングの全てが思い通りに行かなかったとしても、アピールが想定ほどキまらなかったとしても、真摯に気持ちを伝えようとする誠実な態度で思いを込めたプレゼントを渡せたならば、あなたのバレンタイン・デーはきっと素敵なものになるはずです。
以上の点を踏まえ、人間に韻を贈るにあたっては「詩仕立てにする」「曲の形にラッピングする」「サプライズで踏む」など相手側の嗜好やその場のTPOに沿う形で渡すことが理想と考えられます。
もちろん、相手が相応の信頼をおける熟練のライマーであるならば裸の17文字踏みを投げつけることこそがベストなケースもありますが、多くの場合、韻は、韻単体で存在している時より、美しく整理された文脈や、型破りな発想からなるギミックによって縁取られている時の方がその聴覚的・視覚的効果を発揮し易い傾向にあります。ただ硬く踏んでいる“だけ”の韻と、言葉の意味としても連携を保ちつつ尚且つ硬く踏んでいる韻、どちらがクールか、どちらがホットか、どちらが映えてどちらが響くか。この問いに対する答えは流動的で、ある意味ではプレゼントに係る最大の、そして最重要の難問かも知れません。韻を引き立たせ、受け取る相手により強く好印象を抱かせるために工夫を凝らすことが、ライマーの観点から見ても有意であることは言うまでもありません。
(文責/橋姫つづり)

モテる韻とは

では、具体的にモテる韻にはどういったものがあるのでしょうか?
今回、別館では読者アンケートや編集部Ω性陣から寄せられた意見を徹底集計。ポジティブな声を多く集めた=外し難い、いわゆる鉄板と称せるであろうモテ韻の条件の一例を以下に紹介します。このポイントを押さえていればあなたも踏みまくりモテまくり!
・硬い韻
・長い韻
・太い韻
・一つの素材で2回以上踏む連打韻(連打数が多いほどモテる)
・同音ライム
・同音ライム4連打
・語彙のチョイスや組み合わせ等に新鮮味、意外性のある韻
・文意に沿っている韻
・リズムに乗れている韻
・言葉遊び的な面白さを包含している韻
・発音していて口が楽しい韻
・顔の良い人間が踏む韻
・KREVA

モテる韻?



モテる韻って何?


韻でモテようとするな


解散


《連載》押韻島放送局(再)

押韻島のメンバーが不定期に推し曲やオススメのナンバーを紹介し合う交流企画「押韻島放送局」から比較的こういう場にポンと出せそうなものをピックアップしてお届け!
今回ご紹介するのはこちら!

バレンタイン直前らしく、押韻島メンバーでもある界隈屈指のunderrated鬼才が放つポップ&キュートで甘酸っぱい愛欲チューン。
再放送にあたって押韻島メンバーからは「バケモノじみたクリエイティブ」「バケモノそのもの」「音階っぽさのあるhookがニクい」「ブリッジが鼓膜から離れません」「歌詞に共感した」「超自然的なナニかに縋ってまで想いを遂げんとするいじらしさと、欲求にとことん直球に突き進む力強さを併せ持つ主人公?のある種のチグハグさが切なくて、胸キュン止まらなかったです。我が叶えてあげたい」「韻でモテようとするなどけしからん!」などのコメントが寄せられました。言ってて草

次号予告

次回、ラッパーめろん死す!
デュエルスタンバイ!

編集後記

取り立てて書くことも浮かばないとこういう愚にもつかない表紙大喜利に終始すると思います。これが続けられればギリ習慣化できるかもってくらい。週刊だけに。あははは

文/押韻島公民館狂信者

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