黒の鳥と灰色の小鳥|短編小説
あるところに黒い鳥がいました。太陽の光すら吸い込んでしまうほど真っ黒い、影のような鳥は、死を告げる鳥と恐れられていました。だからいつだって、黒い鳥は一人ぼっちでした。
ある日、黒い鳥の近くに灰色の小鳥が近寄ってきました。黒い鳥は言います。
「おれに近よるとあぶないよ」
だけど灰色の小鳥は言いました。
「わたしは兄弟たちとちがって、とてもみにくい色で生まれてきました。ひとりぼっちなのです。どうかおそばにおいていただけませんか」
たしかに、灰色の小鳥はまるで雑巾のようで、