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1章⑦【憑依歌】パラレルワールドの事実 Season1 07/20/2018

憑依歌[平成30年6月20日(水)] 

そういえば、ここ数日、病院を駆け回って、忙しくしていたからすっかり忘れていたけれど、身体が元気になっている。

6月になったあたりから、ボクは眠くて死そうで、病院に行きたくても行かれなくらい、疲れ切っていたのだった。
なのに、不思議なことに、全く眠気も疲れも無い。
人間って、忙しいと死にそうになるのも忘れるものなんだな。

なんだか、自分でもよくわからないが、歩いていても、走りたくなる。
走っていても、楽しい。
駅ではエスカレーターを使わないで、階段を駆け上がりたくなる。

そして、気がつくと鼻歌を歌っている。
ボクは、鼻歌なんて歌わない。
カラオケに行く前に、ちょっと練習で歌うことはある。
けれど、音楽を聴いていても、テレビで音楽番組を観ていても、決して、プロの歌手の方々の歌とハモろうなんて思わない。
音楽が流れていて、まあ、リズムに乗ることはあるけれど、黙って聴いている人間である。

なのに、異変が生じている。
ここ2、3日、全然知らない歌の歌詞が口から出てくる。
歌詞も知らないはずの昔の歌を口ずさんでいる。
そんなに好きでもない歌、カントリーミュージックとか、昭和の演歌なんて興味がないから、歌詞を覚えた記憶もない。

脳の後ろの方のどこかで、覚えていたのだろうか?
歌によっては、サビのところだけ知っていて、自分で歌いながら、サビのところで、ああ、この歌聞いたことあるって、頭のどこかで考えているのだ。

今日もスマホ見ていると、ケイトくんから、
「ボクちゃん、その歌好きだね」と笑われた。
あれ、気づくと口ずさんでいる。
なんとなく聞いたことあるけど、あまりよく知らないカントリーミュージック。

「そんなに好きではないよ」って言ったら、
「前から、その歌ばっかり歌っているよ」ってケイトくんが爆笑していた。
いや、本当にこの歌、あんまり知らないんだけど。

ボクの頭の中、どうなっちゃったのだろう?
オカルトっぽいことを考えると、ボクに何かが憑依して、ボクを歌わせているのだろうか?
とすると、随分、陽気な憑依物である。
カントリーミュージックや昭和演歌ということは、60代、70代くらいのジサマだろうか。
なんだか、夢も希望もない憑依である。
うーん、どうせ憑依してくれるなら、もっと知的な人物が善いなあ。
知らない7カ国語くらいペラペラだったり、数式をいきなり壁一面に書いてしまったりするような知的な憑依なら大歓迎したい。

だが、鼻歌の能力はいらないよ。
悪霊退散!
臨・兵・闘・者・皆・陣・烈・在・前
九字切り! 

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