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9章⑦【お水送り2】 4つ目のパラレルワールド 3/2/2019

お水送り[平成31年3月2日(土)] 

奈良東大寺二月堂のお水取りに先立つこと10日あまり前の3月2日、若狭神宮寺と遠敷(おにゅう)の聖地で行われる儀式が、お水送りである。

暖冬の影響で今年は雪の無い、珍しい年だそうである。
例年、平日に行われることが多いが、今年はお水送りが土日になるため、通常の3倍くらいの観光客でごった返していた。
あたり一面人、人、人。
全然荘厳ではない。

しかし、日が暮れて来て、松明の光が浮かんでくると、厳粛な雰囲気が漂う。
大混雑の約3000人が一人一本の松明を持って1.8キロ移動するのだが、人でごった返しているから、前後左右の人が持っている松明の火の粉が飛んでくる。
幻想的とは真逆の恐ろしい光景だった。

現地で友達になったケイコさんたちと、火の粉が飛ぶ、手が焼けると
「ぎゃあぎゃあ」
騒ぎながら歩くのは、ストレス発散には最適な楽しさだった。
しかしながら、風が吹いていて松明の火はどんどん燃えて、松明を持つ手が燃えそうになり、慌てて舗装道路に松明を叩きつけて火を消す人があちこちに見られた。

そういうボクたちも、最終目的地まで火を運ぶことができなかった。
あと300メートルくらいのところで、とうとう松明の持ち手がボクの手に近づき、手が燃えそうになった。
「うわあー手につく、手が燃えそう」
ケイコさんと共に、松明の火を舗装道路に松明を叩きつけて消火した。

周りはワイワイがやがや、荘厳とは言えない人混みで、遠敷(おにゅう)の聖地で行われる儀式も川の土手の上に設置された柵の向こうから、背伸びして、聖水が注がれるのを人混みの隙間から見たが、遠すぎてよく見えない。
仕方ないから、ユーチューブで見るという、残念なことになった。

初めての参加だから、これがパラレルワールドでの不思議な行事なのか、例年通りなのか、わからない。
1つだけ、前の地球で聞いていたお水送りとは違うことがある。

それは、前の地球では、地元の人以外知られていなかったお水送りだが、この地球の人では知名度があり、全国から殺到するということである。
スピリチュアル力が高いこちらの地球の人々は、霊的な興味も知識も違うのかもしれない。

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半世紀以上前の世界に来てしまった。どうすれば、元の世界に戻れるんだろう。

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