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祝・生誕100年! タンゴの革命児、ピアソラのパーソナリティ、芸術性をホロスコープ(出生図)(隠されたタロットキャラクターなど)から読み解く!

「マカロンと行く占い旅」、9回目を迎えることができました。
ありがとうございます。

陽気も暖かくなり、花粉も舞うこの頃、
3月といえば、、、

3月生まれの、

アストル・ピアソラ、今年は生誕100周年記念イヤー!!
これを取り上げずして何をというのでしょう。

ピアソラといえば、日本でもフィギュアスケートでお馴染みになりつつあります。リベルタンゴ「ブエノスアイレスの四季」など聴いたことあるのではないでしょうか。

タンゴ界に革命を起こし、保守派からバッシングを受けながらも果敢に独自の音楽を推し進め、1992年71歳没後もなお世界中の音楽ファンを魅了し続けている、アルゼンチンの作曲家、バンドネオン奏者です。


私がピアソラ音楽に出会ったのは、南米旅行でブエノスアイレスに行った時。当時、私の「太陽」の反対側に丁度「木星」が巡ってきたので、自分が居る場所から反対側に行ったら、「木星」(人生の幅を広げてくれるもの)をゲットできるかどうか?という旅行に行きたいがため、むりくりの理由を付けて、

「そうだ、南米、行こう。」と32時間の飛行時間を経て、

ブラジルはイグアスの滝、サンパウロのサンバショー、三国国境点(←ブラタモリ的面白さ)リオの美しい海岸線を巡り、自然に触れるとおおらかな気持ちになる、これが「木星」か~、いい旅だった~、あとはブエノスアイレスに寄って帰るだけ、もうすでに旅のハイライト終了~みたいな感じでした。

しかし、本当の「木星」は最後のタンゴショーにあったのです。

その時、私はピアソラの「ピ」の字も知らない全くのタンゴ無知。くるくる踊る大勢のダンサーさん達の美しい脚の間から見える生バンドの曲が、え、え、え、え~~これタンゴ?フォルクローレというかジャズ?二拍子?何拍子?どこまで転調するの!?でもめちゃエグい、この曲は何~~~?!(←「アディオス・ノニーノ」でした♬)

でもってその伸び縮みする楽器は一体?二人の奏者が鏡のように同じ動きをし、それを操作する指の動きも変態すぎて釘付け(←バンドネオンです♬)

美男美女のダンサーさん達が前ボケ状態で、バックの人達にマニュアルフォーカス!!これがすべての事の始まりなわけですよ。
ピアソラ音楽が生きる糧になるなんて。後から考えたらこれが私の「木星」だったのかと。

前置きが長くなりましたが、

ピアソラの「ネイタルチャート(出生図)」本人の特徴検証のこじつけ(笑)と、100回目の「ソーラーリターンチャート(太陽回帰図)」向こう1年の未来、を2回に分けて考えてみたいと思います。まず一回目は「ネイタルチャート」を見てみましょう。


アストル・ピアソラ
1921年3月11日 マルデルプラタ 午前2時生まれ 

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※★「ネイタルチャート」は、その人が生まれた日、生まれた場所、出生時間によって、天体がどこに位置していたのかを示した星図のこと。
★「ソーラーリターンチャート」は、トランジット(経過中の天体)の「太陽」がネイタル図の「太陽」と重なる時の星図のこと。

●「ネイタルチャート」の「太陽」は「魚座」です。
「太陽」は人生の目的を表すとされます。
「魚座」は酸いも甘いも飲み込み、融合させてひとつの世界を創造するサイン、「柔軟宮」の「水」、「水は方円の器にしたがう」という言葉のように、どんな形にもなれてしまう。ピアソラは、伝統的な古典タンゴをクラシックやジャズ、民族音楽のリズム、当時では考えられなかったエレキギターやパーカッションなど取り入れて独自の音楽を作り上げています。


●アセンダント(東の地平線)はその人の持って生まれた個性を表すと言われます。以下、「ASC」と表記。
「ASC」は「水瓶座」、その支配星は「天王星」です。
それが何のサイン(星座)で、何ハウスに居るのか、が重要です。
「天王星」は「2ハウス」の「魚座」にあります。
「2ハウス」は才能を使って生きていくハウスです。生まれ持った能力を使って、いかなるものを融合させ←(魚座)、改革←(天王星)していく人という個性を持つ、とみることができます。

「ASC」はその人の看板でもあるので、「タンゴの革命家」「タンゴの破壊者」と異名を持つ所以も納得ですね。


●ピアソラにはもうひとつの特徴として「闘う」というキーワードがあります。伝統保守派からのバッシング受けながらも、一つの場所に留まることなく新天地へ向かって闘い続けた生涯、そんな闘争心とバイタリティはどこから生まれてきたのでしょうか。

闘争心、バイタリティというと「火星」や「牡羊座」などが挙げられます。

ピアソラの「火星」は「牡羊座」にあり、タロットカードでいうとまるで皇帝がそこにいる状態。
座って演奏されていたバンドネオンの演奏スタイルから、椅子に片足を乗せ、立って演奏するスタイルを確立させました。全体を見通し指示を出すためだったと言われています。このようにリーダーシップを発揮しながら、タンゴ界の未来を切り開く挑戦を仕掛けたのです。困難(バッシングや前衛的過ぎて売れないなど)に見舞われようと妥協せず努力を惜しまなかった姿勢は、やはり「皇帝」そのものです。

「月」(その人の根っからの性質)も「牡羊座」です。これは「ワンドエース」がそこにあるようなもの。直感的に自分が何をすべきか、やりたいと思ったことは考えるより前に行動している、という本来の性質も手伝っていると思われます。

そしてこれらは「3ハウス」にありますので、双子座的な要素も加わります。とにかく何か新しいことをやりたい、色々なことを試したい、じっとしていないハウスです。幼少期(月の年齢域:0歳~7歳)に、両親とアルゼンチンからニューヨークへ移住をしています。パリやイタリア、ニューヨークなど拠点を変えて活動するなど、演奏家は世界中を巡業し飛び回るわけですから、三つ子の魂百まで的に「3ハウス」の行ったり来たりは頷けます。


●ピアソラの芸術性はどこから生まれてきているのでしょう。

「牡牛座」にある「金星」に注目。タロットカードでいうとまさに女帝がそこにいる状態です。「女帝」はクリエイトすることや芸術に大きく関わるカード。ホロスコープの中に「皇帝」と「女帝」がいるのですから何かを生み出さないわけがないですね。
新しい演奏形態のタンゴを生み出したことは然り、造語もたくさん生み出しています。有名なのは、リベルタ(自由)とタンゴを組み合わせたリベルタンゴなど。

「牡牛座」は五感が鋭く卓越した審美眼の持ち主。嗜好はハイセンス「美」を追求するレベルも高いです。

これが「4ハウス」にあり、その人の基盤となる所です。これを家庭とみてみましょう。一人っ子で両親や周囲に大事に育てられ、家族が大好きだったと言います。両親は無類のタンゴ好きで、家庭環境は音楽に溢れ、楽しく居心地がよい場所だったようです。音楽の才能は家庭からの影響、もっと広範囲で捉えるとアルゼンチンの多様性に富んだ音楽文化の土壌から、生まれながらに備わっていた才能とみていいかもしれません。

「火星」同様、「金星」も「IC」(天低)の近くの「アンギュラー天体」となっており、その人のホロスコープの中で特に強い力を持ちます。

「天王星」との合の「水星」が「魚座」にあることも見逃せません。これも感覚的な知性として芸術に関わる配置。「水星」の年齢域(8歳~15歳)8歳でバンドネオンを買い与えられ、両親は音楽教育に熱心だったようです。音楽の基礎とバンドネオンのレッスンに通い、11歳の時にはホールで興行されるイベントで演奏し、奇跡のバンドネオン奏者と絶賛されるなど、神童だったわけです。

「天王星」と「水星」の合の特徴でよく言われるのは、言動が変わっていて面白いことを言う人だったりします。本人も病的なほど冗談ばかり言って周囲をよく笑わせていたようです。


●ピアソラの作品のテーマはどこから生まれてきているのでしょう。

8歳頃から音楽のレッスンに通っていたピアソラですが、師匠運というのが良好のように思えます。師匠は「土星」で表されます。
「土星」をみますと、「太陽」の反対側180度(オポジション)にあります。180度はお互いが向き合い、お互いを意識する状態。

13歳の時、隣の部屋に住んでいたラフマニノフの弟子だったというピアニストの部屋から聞こえてくる音に魅了され、即、習いたいと押しかけ、(←月ワンドエースの行動パターン(笑))隣同士で家族ぐるみの付き合いになったようです。音楽への思いが確固たるものになった最初の偉大な師匠、と語っています。

20代では、タンゴ楽団で働くためブエノスアイレスへ上京。
カフェやキャバレーで演奏しながら、後にアルゼンチンを代表する作曲家となるアルベルト・ヒナステーラに師事。ヒナステーラを紹介したのが、あの世界的ピアニスト、アルトゥール・ルービンシュタインだというのも驚きのエピソード。ホテルに押しかけ(←出た)自分の作品を見せたのがきっかけだったとか。

少年期のニューヨーク時代には、アルゼンチンの国民的スター、カルロス・ガルデルが巡業に来たとき、ホテルに訪ねて行き、(←ほらほら)仲良くなってガルデルの映画にもちょい役で出演しちゃったり、押しかけ運すごくないですか!?

そして、何人ものピアソラの師匠として忘れてならないのは、交響曲のコンテストで優勝し、一年間のパリ留学奨学金を得て、レッスンを受けたという、ナディア・ブーランジェ。バンドネオンをしまい込み、すっかりクラシックの作曲家として身を立てようとしていたピアソラに、タンゴこそピアソラの音楽だと、ピアソラをピアソラたらしめる方向性を導いたのは有名な話です。
丁度その頃、「小三角形」の頂点になる「金星」の真向かいに「土星」が通過し、「カイト」というアスペクト(角度)が形成されていました。「小三角形」内でやってきたこと(食べるためのタンゴの編曲仕事や、身を立てるためにクラシックの作曲を死ぬほど書いてた)の行き詰まりを打破し方向性を見いだすという意味があります。
土星は同じ所には滅多に巡ってきませんから、ナディア・ブーランジェとの出会いのインパクトがうかがい知れます。

話をネイタルチャートの「太陽」「土星」のオポジションに戻しますと、この組み合わせは、その道の権威あるものに真正面(←180度なので)から突っ込んでいく(押しかける←月ワンドエースも手伝い)性質を持ち、突っ込んでこられた相手側もしっかり受け止めていることがよくわかります。


また、その道の権威あるものに敬意を表し、たくさんの曲を作曲しています。例えば、下積み時代に世話になった楽団のボスへの「トロイロ組曲」なども素晴らしい作品のひとつ。面識はなかったようですが画家のピカソに贈った曲もあります。

そして「土星」は父親を表す天体でもあります。アディオス・ノニーノは父に捧げた曲、ピアソラの代表曲となっています。

ピアノ、バイオリン、コントラバス、チェロ、もちろんバンドネオンに捧げる曲もあります。人だけでなく、楽器も「土星」として捉えることができるでしょう。

郷土への尊重も「土星」でしょう。~ポルテーニョ(ブエノスアイレスっ子)←(いわゆるお馴染みのブエノスアイレスの四季)と名の付く曲の数々など。


このようにピアソラの「太陽」(人生の目的)は「土星」(権威あるもの)に光をあてるべく敬意を捧げることがテーマになっていると読み取れます。


まだまだ語り尽くしたい所ではありますが、いかがでしたでしょうか。

興味あるアーティストやタレントなどのホロスコープ検証は、とても勉強になりますね。


次回は100回目のソーラーリターン図を見ていきたいと思います。
お楽しみに!!

※参考文献:
『ピアソラ その生涯と音楽』(2006年)マリア・スサーナ・アッシ、サイモン・コリアー著、翻訳:松浦直樹、発行:株式会社アルファベータ

文・イラスト:加藤マカロン

【著者プロフィール】
加藤マカロン
イラストレーター&占い師。公式サイトは、マカロンタロットweb 。カードの基本的な意味などを知りたい方は、『マカロンタロットで学ぶタロット占い』(駒草出版)をご参照ください。SNSは、Twitterアカウント (@katomacalon)、facebook などでも情報発信中。

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