なぜ今、『ザ・ビートルズ:Get Back』なのか?!「土星回帰」、タロットで考察してみた!
このコラムも18回目、
お読み頂きありがとうございます!
毎回どんなネタにしようかなと、原稿締め切り間近まで悩むのですが、今回はやはり、コレ!
11月末にディズニー+から全世界に配信された、1969年1月3日から31日にかけて行われたビートルズの未公開映像ドキュメンタリー『ザ・ビートルズ:Get Back』、60時間以上の映像と150時間以上の音声を約8時間に編集した三部作。
この時の彼らは、ライブ活動を休止して2年半、バンドとして一体感を取り戻すために新曲14曲仕上げて、リハーサル、レコーディング風景と、生ライブをテレビ番組で放送するという企画をポールが発案したという。ライブバンドにゲット・バック(原点回帰)するという意味と、当時のイギリスでは移民の受け入れ問題が連日取り上げられており、それを野次るダブルミーニングになっているようだ。
この時点ではライブをどこでやるかは決まっておらず、監督らの提案をことごとく却下するファブ・フォー(ファビュラスな4人)。何度も話し合い、紆余曲折あり・・・あの伝説のルーフトップコンサートにたどり着く。
でも、なぜ今ビートルズなのか?解散から51年、ビートルズがデビューしたのは1962年、今年2021年から数えると59年の歳月を経ていることになります。占星術的な観点からいえば、土星が二回りした年月だとお気づきになるかもしれません。(当初、解散から50年という節目に2020年に公開予定だったものがコロナの影響で1年遅れに)
1962年1月~1964年3月下旬まで土星は水瓶座に居ました。そして今回、2020年3月下旬~から(山羊座へ逆行あり)2023年5月末まで土星は水瓶座を運行します。
「土星回帰」は周期の大きいひとつのサイクルです。土星の周期は29~30年、×2で58年~60年です。ビートルズがなぜ解散したのか?本当の理由は分からないまま、誰もが憶測で考えるしかなかった半世紀もの間、不仲説だったとしたら、そうではないことをこのドキュメンタリーは教えてくれています。彼らの愛くるしく茶目っ気たっぷりな様子、友情、楽しさ。クリエイトするために遠慮してたらいいものはできないし、時にケンカすることだってあるでしょうよ、と思わせてくれます。
このドキュメンタリーの撮影時、1969年は、彼らも26~29才、生まれてから一回目の「土星回帰」を迎えるお年頃、土星回帰とは、これからの自分の生きる方向性を考える時でもあり、公に向けて自分が何者であるか看板を掲げる時と言われています。
彼らはすでに全世界にビートルズという大看板を掲げていますが、デビューしてから7年目になるこの頃のビートルズは、いろいろなことがありすぎて(詳しくはwikiを参考してね)上記にもすでに書きましたが、次なる方向性を模索していたと思われます。
それぞれがソロで活動し始めたり、土星回帰を迎えたジョンはこの年の9月にポールに脱退を打ち明けています。2才年下のポールの土星回帰はもうちょっと先で、ビートルズとしてライブを再開させようと意気込んでいただけあって、ショックを受けたと言われています。
そして翌年1970年4月、ポールは日刊タブロイド誌に「脱退宣言」と報じられ実質的に解散します。しかしそれで終わることはなく、ポールは同年の12月、悪名高きマネージャーによる不利な契約を法的に無効にするため、アップル社との協同経営の解消、ビートルズ解散の訴えを起こし、翌年1971年3月12日に解散が法的に決定します。
ビートルズを世界的ビッグバンドに仕立て上げたマネージャーのブライアン・エプスタイン亡き後(謎の死を遂げる)、司令塔を失い、失意の中、迷走していた彼らの前に現れた、ド派手なこの悪名高きマネージャーに心酔し、招き入れようとしている(ポールは反対だった)ジョンの熱弁がこのドキュメンタリーの中にしっかり組み込まれていたり、その後の展開を知っていると、こういういきさつだったのか、ということも見えてきます。
この時のポールの出生図の双子座の太陽は、トランジット(経過)の太陽(魚座)□冥王星(乙女座)□火星(山羊座)とグランドクロス(大十字)を形成しており、大変辛い時期だったと思われます。
ビートルズがデビューした1962年の水瓶座の土星と、この時運行していた牡牛座の土星がスクエアになっているのも見逃せません。
土星の周期は29~30年ですからスクエアになった時、単純に4で割ると7. 25。
誰もが7~8年ごとに何かが起こる可能性を秘めていることになります。「7年目の浮気」というマリリン・モンローの映画がありますが、理に適ってるということになるのでしょうか(^^;)・・・
タロットカードでも「7」の数字のカードは、「3」の発展と「4」の安定の組み合わせとして、ひとつのサイクルを表します。さらなる飛躍のために「改善」、「見直し」、「迷い」を余儀なくされる時期であり、違うエリアへ踏み込んでいこうとします。マジカルミステリーツアーならぬ、「7」はマジカル✨️(ミステリー)✨️ナンバーと呼ばれる所以になっています。
それぞれが新しい活動を求め、別れることになったのは、成長するために通らざるを得ない切なくも美しい道だったのかもしれません。「Let It Be」や「The Long and Winding Road」はその切なさにハマるし、潜在的にポールが感じ取っていたものがそのまま曲になるんだから、神がかってます。神に祈るような、最後の結びのコードも、「IV-I進行」と言われるいわゆる♬アーメンコード♬です。
このドキュメンタリーの最初の撮影場所は、だだっ広い殺風景な倉庫のような所。簡素な機材を持ち込み、たった2週間で14曲仕上げなきゃいけない焦りとプレッシャーが伝わってきます。もうちょっとスケジュールどうにかならないのかな?と心配してしまいますが、毎日必ず黄色の水仙が飾られていたことに勇気付けられました。だってそこに「節制」がいる感じがして。
(※ライダーウエイト版「節制」で描かれている花はアイリス(菖蒲)ですが、マカロンタロットでは水仙です。)
そんな中でも、あの名曲?と思われるコードをポールがジャカジャカ奏で、あーでもないこーでもないと吟味しながら歌詞をのせ、あの名曲たちが仕上がっていく様は、まさに「節制」が表すクリエイティブな瞬間!!どうやらその花はジョージのお友達のハレ・クリシュナ関係からの差し入れだったようですが。
この「ゲット・バック」セッションに、キーボードプレイヤーの最強助っ人、ビリー・プレストンがどうやって参加するのか映像でみてみたーい!というのがあったのですが、ビリー・プレストンは、ビートルズがドイツのハンブルグで叩き上げられていた下積み時代に出会っていて、あの時一緒に奏ってた仲間が、あれよあれよと世界的ビッグバンドになっていったことに驚いていたという。
自身もレイチャールズのバックバンドでロンドンにやってきた所、ちょうど彼らがレコーディングしてるというので、昔を懐かしみスタジオにちょっと挨拶に立ち寄ったみたところ、参加してもらえると嬉しい!という誘いに応え、セッションが始まります。ビリーのソウルフルな演奏にメンバー全員の目の色が変わるのが分かる!是非とも5人目のメンバーとして迎えたいという話しになってトントンと話しが進んで行き、まさに鬼に金棒とはこのことだ!という感慨に浸ることもできるでしょう!
ビリー・プレストンに声をかけたのもジョージと言われていて、ちょっと淀んだ空気に外からの風を取り入れるのが上手なジョージは、やはり太陽が魚座(サブ支配星は木星)の「節制」気質というか、インド文化に傾倒し、菜食や瞑想を実践していたということで、神秘的な体験からインスピレーションを呼び覚ましているのかなと感じる場面でした。性格が穏やかで、誰とでも仲良くなれるクリエイティブなお友達が多かったと言われているのも分かる気がします。
この時は撮影場所、レコーディングがアップルスタジオに移っていて、そこから流れが変わっていくのがわかります。
リンゴのことにあまり触れなかったので、ひとつ。ポールと連弾でピアノを弾いて遊んだり、ふざけてタップダンスし出したり、いちいち行動が可愛いリンゴに出会えます。ビートルズメンバーは1940年~1943年生まれの冥王星獅子座世代(1939年~1957年)。獅子座は表現する星座、この世代はいわゆる団塊世代と呼ばれ、学生運動など、思ったことを表現していく世代です。その上に、メンバーの出生図をみると他の天体も獅子座にいて、獅子座色がとっても強い!ビートルズは冥王星獅子座世代の申し子だったのかもしれません。
まだまだ見所が沢山ありすぎて、語り切れないですがあとは見てのお楽しみに!
土星の影響は、特別な人だけに起こることではなく、誰にでも起こりえます。今回は、ビートルズの転機にも「土星」ががっつり絡んでいたという発見でした。誰にでも起こりえることだからこそ、ビートルズが解散から50年経った今でも愛され続けているのだと感じます。私たちの人生上で起こる迷いや決断、喜び、願いを率直に代弁しているからです。
「土星回帰」が巡る時期は計画性をもって大切にお過ごしください!!といっても人生に2~3回くらいですが、4回目行ったら素晴らしいですね!!(笑)
文・イラスト:加藤マカロン
【著者プロフィール】
加藤マカロン
イラストレーター&占い師。公式サイトは、マカロンタロットweb 。カードの基本的な意味などを知りたい方は、『マカロンタロットで学ぶタロット占い』(駒草出版)をご参照ください。SNSは、Twitterアカウント (@katomacalon)、facebook などでも情報発信中。
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