#01 ババは認知症
わたしのババ(おばあちゃん)は認知症になった。
1年前の骨折で寝たきりになったことが、脳の働きを弱めてしまったらしい。
地方に暮らすババは電話をよく掛けてくるが、その内容からなんとなーーーくアレ?って思うことがあったけど、その報告を聞いた時は嗚咽するほどの涙が出た。
わたしの両親はわたしがまだハイハイするような頃に離婚した。
それもあってババはわたしを娘のように可愛がり、支えてくれた。
精神的にもだし、物質的・経済的にも援助してくれた。
生まれてから約20年間、いつもわたしを安定させ、奮い立たせてくれる存在だ。
そんなババが認知症になったことは、ショッキングな出来事だった。
母から「ババ認知症になった」という言葉を聞いた時、
認知症=わたしのことを忘れてしまう という何とも簡単な等式が頭の中を駆け巡った。
〇〇ちゃん〜って目を細くして笑顔を作るババが居なくなってしまうんじゃないかと思い、寂しかった。
そんな中で今夏、ババの元を訪れた。
PCR検査に抗体検査、ワクチンを摂取した上で徹底的に予防した。
2年ぶりに会ったババは、腰を曲げ痩せ細った姿で手押し車を引いていた。
あのパワフルでうるさくて世話焼きなババはもう居なかった。
でもまだ認知症の症状としては初期段階で、わたしのことはまだ覚えていた。
だけど。
話してると妄想のような話をするし、今日何曜?何日?と何度も聞くし、認知症の症状が確かにあった。
ババも色んなことを忘れてしまうのは自覚しているらしく、ひとり介護ベッドの上でメモ書きを読んだりしていた。
そんなときに
"○○(わたしの名前)のことは忘れられねぇな"
と一言言った。
涙が込み上げたわたしは上ずるような声で、うんと答えた。
その言葉を聞いて、わたしはババとの思い出、家族の思い出を色褪せないように綴りたいと思い、noteをはじめた。
認知症という現実を受け止めながら、その経過を見届けていきたい。
ババがもしわたしのことを忘れてしまっても、わたしの中でババが生き続けられるように。
誰かに読んで欲しい気持ちもあるが、これはわたしの日記として機能するだろう。
言葉にすることで自ずと寂しさから解放され、前向きに向き合えるような気がする。
この機会がわたしを見守ってくれますように。
こまてぃ
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