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舌下免疫療法、1年でどこまで改善する?

2023年も花粉が猛威を奮ってますね。

日本人の国民病とも言える花粉症、その根治療法である舌下免疫療法を始めてほぼ1年が経ちました。
治療開始後、初めての花粉シーズンを迎えたのでどこまで改善したか、治療の流れや費用とともに記載します。

※ このnoteでの花粉症はスギ花粉症を指しています。

結論

花粉、まったく感じなくなりました。
10年に一度と言われる今年でも感じず、くしゃみ、鼻水、目のかゆみ、肌荒れなし。
花粉症の薬なしで外出できています。

舌下免疫療法は最低3年継続が必要、とは言われるものの、私の場合は1年で、(自分としては)ほぼ完治レベルまで改善しました

※ 患者側の個人的な見解なので、実施される方は担当医とよくご相談ください。

治療前のアレルギー症状はどれくらいか

花粉症になったのは社会人になってからでした。
生まれも育ちも関東です。

花粉症の薬がなければくしゃみ鼻水が止まらず、2分に1度、5回くらいくしゃみを連発する状態。

2月はじめ〜3月末ごろまで、基本的に毎日抗アレルギー薬のアレロックを服薬していました。

治療を始めたタイミング

花粉飛散中は開始できないため、飛散が終わった2022年5月から開始しました。
舌下免疫療法が保険適用となったことを知り、早いうちにやっておこうと思ったことがきっかけです。

初診の流れ

家の近くにアレルギー科の病院がいくつかあったので、舌下免疫療法をやっていて通いやすい病院を選びました。

① まず電話で舌下免疫療法を受けたい旨を伝える

② 初診日を予約

③ 初診では問診と舌下免疫療法の説明を受ける

④ 血液検査で花粉にアレルギーを持っているか調べる
※ 花粉症の自覚があっても調べて原因を明確にする

⑤ 1週間後に血液検査の結果が出る
→スギ花粉アレルギー確定となれば舌下免疫療法スタート

血液検査では、スギ以外にもヒノキ、ダニ、ハウスダストなども一緒に調べました。

アレルゲン検査結果
クラス2からがアレルギー反応ありと判断されます。ヒノキも陽性でした。

舌下免疫療法の開始

舌下免疫療法の治療は、
「錠剤を舌の下にいれて」
「1分後飲み込む」
「その5分後に水を飲む」
だけです。

錠剤の名前はシダキュアです。
1錠ずつ個包装されており、1円玉より小さく軽いです。
味は普通。(まずくもなく、ちょっと甘さあり?)

右下がシダキュア錠です

初回の服薬は、アナフィラキシーショックの可能性があるので病院で実施します。
そのまま病院で30分ほど待機し、問題なければ帰宅。
次の日からは自宅でシダキュアを1日1回飲みます。

経過観察のための通院

月に1回通院し、異常がないか担当医から問診があります。
特に問題なければアレルゲン量を徐々に増やしていきます。

最初は2000JAU錠を半分に割って、1000JAUから始めました。
※ JAUはざっくり言うとアレルゲンの量を表しています。

最終的には5000JAUになります。
1000→2000→5000 の順にステップアップしますが、1ステップに2ヶ月ほどかけました。
※ 病院や担当医によっては最初の1週間で2000、2週目から5000、と早いところもあるようです。(そっちのほうがメジャーかも?)

私の場合、最初はとくに何もなかったのですが、
2000JAUに上げて1週間ほどで喉がイガイガしてきました
薬を飲んだ直後より、寝る前に飲んで朝起きたときにイガイガを感じました。
そのようなときは担当医に相談し、1段階下げた1000に戻したりしています。

費用

おおよそかかった費用は以下の通りです。

初診

  • 診察料:1500円

  • 血液検査:3000円

月1回の通院

  • 診察料:700円

  • 1ヶ月分の薬(シダキュア):2000円

12ヶ月分の合計

初診(1500+3000)+ 月1通院(2000+700)*12
= 4500 + 2700*12
= 36900円

1回でこの金額となると高いですが、月で考えると3000円のためそこまで高くはないです。保険適用が本当にありがたいです。

まとめ

最低3年と言われている舌下免疫療法ですが、人によっては1年でもかなり改善される場合があります。

始めるまでは、毎日薬を飲むのは面倒と思っていましたが、習慣の中に入れ込めばほとんど負担は感じません。
私は寝る前に水を飲むので、その前にシダキュアを飲むようにしました。

また、体調不良で2-3日飲めなかったりしても大丈夫、リセットされたりしないので無理ない範囲でOK、と担当医に言われています。
そのため飲み忘れても、まあ1日位いっか、と気楽に思っています。

以上を踏まえて、花粉症で毎年辛い人にはぜひおすすめしたい治療です。
どなたかの参考になれば嬉しいです。

ヒノキ花粉への効果は? ※2023年5月追記

スギ花粉につづき、3月中旬からヒノキ花粉が飛散し始めました。

スギ花粉の舌下免疫療法はヒノキ花粉症にも効くことがある、と聞いていたので期待していたのですが…
私の場合はまったく効かず、くしゃみ鼻水がひどかったです。残念。
特に軽減もされませんでした。

理由としては、種類は同じでもアレルゲンの含有量が差があるからだそう。

スギもヒノキも同じ抗原を持つので、両方の花粉症を持つ人が多いのですが、含まれる抗原には4種類ありまして、そのうちの1種類がヒノキに多くてスギに少ないことが判明しています。スギの治療薬はスギに多い抗原を用いますので、必然的にヒノキに多い抗原に対する免疫寛容は起きにくくなります。

なぜスギ花粉免疫療法はヒノキ花粉症に効かないのか

実際、スギ花粉の舌下免疫療法がヒノキ花粉症にどれだけ効くのか?
ググってみたところ40〜50%程度のようでした。
(専門家じゃないので明確な出典まで辿り着けず…参考までに)

研究開始時の研究の概要
〜中略〜 スギ花粉とヒノキ花粉の主要抗原には高い相同性があるが、ヒノキ花粉症に対するスギ花粉舌下免疫療法の有効性は約40%に過ぎない。

ヒノキ花粉症の根治を目指すスギ花粉舌下免疫療法の分子機序解明のための総合的研究

2014年より始まったスギ花粉への舌下免疫療法が始まりました。当初は、抗原に対する交差反応性からスギに対する舌下免疫療法はヒノキ花粉症の人にも有効性が高いのではないかと期待されましたが、実際の有効性は50%程度に過ぎないと言うことがわかってきています。

ヒノキ花粉症 Q&A

もしヒノキにも効けばラッキー、くらいの心持ちが良さそうですね。

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