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アニサキスってよく聞くけど意外と当たらないものじゃない?と思っていたときもありました。

コロナがここ2年以上流行し続けている中、コロナではなくアニサキスを引き当てました。
その時の体験談を書きたいと思います。

とりあえず結論

もしかしてアニサキス…?と苦しんでいる方がいらっしゃれば、早急に胃カメラをしてくれる病院に電話しまくることをおすすめします。

美味しいものにはリスクがある

その日は産地から直接取り寄せた魚たちが食卓に並びました。
直送だしやっぱり刺し身だよね、とカツオ、アジ、その他の魚の刺し身。(もはや戦犯しか覚えていない)

刺し身を食べ酒を飲み、いい気持ちで就寝しました。確か22時頃まで飲んでいた気がする。

早朝4時頃、なんだか胃が気持ち悪いようなムカムカするような気がして目が覚めた。飲みすぎたのかなーと思ってトイレに行っても吐いたりお腹下したりもない。

でもベッドに戻っても気持ち悪い…なんだか胃もかなり痛い…なんだろこれ…
寝てれば治るかなと思っても気持ち悪くて寝られない。差し込むような痛さもあるけどどちらかと言うと気持ち悪さが強い。

これまでノロウイルス、細菌性胃腸炎、その他胃腸炎を軒並み経験している私。
お腹は痛くないし下してもいないなら胃腸炎ではなさそうと判断。(素人判断は危険です)
Google先生で下記の症状で検索してみました。

  • 胃が結構痛い(みぞおちあたり)

  • 胃の痛みに波がある

  • 吐きそうな気持ち悪さ

  • 生魚を数時間前に食べた

  • 生魚はアジ、サバ など

  • 発熱なし

ほぼアニサキスだよそれっていう結果しか出ない…Google先生の優秀さよ…

アニサキスだった場合の対応策は、アニサキスを胃カメラで引っこ抜いて取るしかなさそうでした。
胃カメラならそこらへんの消化器内科ですぐやってくれるでしょーとなめてた私。浅はかでした。

日曜朝からの病院さがし

近くの胃カメラをしている病院に電話して今日対応してくれるか確認すると、
・そもそも営業していない
・日曜なので昼までしかやっていない
・胃カメラできるけれど予約で埋まっている
でどこも全然対応してもらえない…
(多分アニサキスだと思うんです、と伝えていました)

もしかしたらアニサキスじゃないかもしれないし、1日様子見て、次の日も同じ症状であれば(予約いっぱいだけどどこかねじ込んで)胃カメラするよってことになり、1日家で大人しくしていました。

だけど気持ち悪さで寝られない。痛さも全然変わらない。ベッドの中でうろうろ(?)する超つらい1日でした。

ちなみに正露丸は私は効きませんでした。悪さはしないので物は試しに飲んでみると良いかもです。(ロキソニンなどの痛み止めは、胃が荒れて余計悪化するのでやめておいたほうがいいと後で病院で言われました)

やっと胃カメラ

月曜朝にやっぱり痛いので胃カメラしてくださいと電話し、朝一から病院へ。いつ空きができるかわからないので待合室待機。(椅子に座って長時間…つらい)

アニサキス以外の要因かもしれないので、念の為腹部エコーもとりましたがやっぱり問題なし!

2時間くらい待ってやっと呼ばれました。天使の声。

胃カメラ自体が初めてで、
鎮静剤(意識がなくなるほぼ麻酔っぽいもの)を打つかどうか聞かれ、ネットでは打たないとめちゃめちゃつらいって声が多かったので打ってもらいました。打ってもらった2秒後には多分寝てた。
何の苦しさも感じず処置してもらえたので、これからも胃カメラするときは鎮静剤を選択すると思います。

なお、アニサキス本体を記念に持って帰りたいなら胃カメラする前に伝えておいたほうが無難です!

目が覚めたときにはあの気持ち悪さも痛さも一切なくなっていて、本当にアニーちゃんいたんだな、と実感しました。 

ご対面は…?

目が覚めて落ち着いたら診察室へ。
やっぱりアニサキスだったことを伝えられました。

私の胃には一匹のアニサキスが噛み付いていたようです。一匹でこんなにも苦しいのか…アニーちゃんも苦しかったでしょうが…

念の為生体検査に回したよーってことだったので、対面は叶わず。持って帰りたかった。

また、アニサキスは医院から保健所への届け出義務があるので、何から感染したかなどもここで伝えました。
ほぼ100%アジの刺し身が原因でしょうと…

実は今回のアジは西日本産のアジでした。以下のように西日本のアジはアニサキス感染症になりにくい(寄生はしている)と聞いていたので刺し身でいけるやろ!と食べてしまいましたが、少ない確率の方を引き当てたのかもしれません。

そして最近の研究で、日本海側で漁獲されるサバに寄生しているアニサキスは『アニサキス・ピグレフィー』がおよそ8割、太平洋側で漁獲されるサバに寄生しているのは『アニサキス・シンプレックス・センス・ストリクト』がおよそ8割に上ることが判明しています。
つまり太平洋側で漁獲されるサバに寄生するアニサキスは、水揚げ後に筋肉に移行している率が高いということが言えるのです。我々が食べるのは基本的には筋肉なので、太平洋側のサバのほうがアニサキスを摂食してしまう可能性が高まります。結果として太平洋側のサバのほうがアニサキス症を引き起こすリスクが高いことになるわけです。

『アニサキス』にも種類があった 危険なのは太平洋側と日本海側どちら?

なお、食中毒発生状況は行政がとりまとめ、発表しています。ご興味ある方はぜひ。
▶ 厚生労働省 食中毒統計資料

厚生労働省「アニサキスによる食中毒を予防しましょう 」

実際の胃カメラ写真

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以下から胃カメラ写真があるため苦手な方はご注意ください
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こちらが胃カメラで確認できたアニサキスです。左下に丸まっている白い物体がアニサキスです。噛まれて胃壁が炎症しているため、そこだけ膨れています。胃の中でも割と下の方にいたそうです。

こちらは鉗子(医療用のハサミ)でアニサキスをはさんで取った画像です。

自分のことながらなかなかキレイな胃をしていました。
ピロリ菌検査はしたことがなかったのですが、多分ピロリもいなそうだね〜と医師の方からもコメントいただきました。(その後検査してみても実際いませんでした)

1週間後、生体検査結果(病理組織検査)をいただきました。
ANISAKIS」!わかりやすい!

シンプルな結果のみ返ってくるんですね。アニサキスの種類とかまでは出ないんだなあ。。。

なお、今回かかった医療費は約15,000円でした。
3割負担でこの額…日本の医療費制度のありがたさを噛み締めました…。

アニサキス、どれくらい辛い?

他の胃腸炎と比べてどちらがつらいかと言われると悩ましいところです。

一般的な胃腸炎は自然治癒力に頼ってひたすら排出すれば2日くらいで回復しますが、アニサキスはアニサキス自身が死ぬまで時間がかかります。(約1週間。胃から腸に移動することもあるそうな)

次回がもしあったとしても、1週間痛み・吐き気に耐える気力はないので、お金がかかってでも胃カメラで解決する手段を選ぶと思います。
胃腸炎はひたすら耐える、しか選択肢がないのが辛いところ…

「次回」が無いように、産地に関わらず、刺し身はよく見てよく噛み食べたいと思います。

私の体験談がどなたかのお役に立てば幸いです。

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