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PERFECT DAYS

評論という視点では話せませんが、僕自身の主観で感じたことを綴ります。
多くの方に見て欲しいというよりかは、自分が今しかない感性で感じたことを残しておく感覚ですので、ご了承下さい。

平山という人物像について
一言で伝えると、"普遍的な毎日を自分なりに楽しめる人間" というイメージです。
喜怒哀楽という言葉も似合う人間だなと感じました。
毎日の移り変わりは勿論、平山という主人公を通じて様々な出来事が起こるのですが、どれも抽象的で全て明らかにしないあたりがまた良かったです。
通常の物語の構成として、伏線張る⇨伏線回収という展開はお決まりだと思いますが、どのストーリーもそれがない上に、登場人物の名前すらわからないまま物語が進んでいきます。
唯一明確なのは、平山という人間が毎日を客観的に見て普遍的に生きているということです。

見える景観について
特徴的だなと感じたのは、景観の写し方が "本来の基本的な構図を気にしていない" 写し方だと感じました。
流れをパターン化しているのと、その中で差別化するためのカットをかなり工夫して撮っているなと感じました。
映画としては、見にくさと見やすさを両方の側面を出しているなと。

役者さんについて
序盤の方でもお伝えした通り、セリフはかなり少ないのと登場人物の全貌が明らかになることはないです。
ただ、その人の人間性、感じたこと、伝えたいことが言葉を介さずとも伝わってくる感じに凄まじい演技力とその俳優さんの人間味を感じました。
本来、セリフを入れ、ストーリーを具体的にすることで本来その役に入っている役者さんの人間性が見えることはないのですが、セリフを減らし入ってくる情報量を減らすことによって本来見えることのない "役者の素の姿" を見ることができるのかなと感じました。

私自身が感じたこと
富裕や貧乏などの言葉で "優劣" というものを言葉に出さなくても頭で判断しがちですが、そもそも "何が幸せで何が不幸だ" というものさしは存在しないという主張が良かったと感じました。

どの人生を歩んでいても、喜怒哀楽はそこに存在し、人生をいかに "身の丈にあった生き方" に出来るかの方がよっぽど大事です。きっと。

自分にとっての "身の丈" というものを改めて考える機会になりました。

皆さん、是非。


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