メッセージ

陽射しが眩しい。

未だ季節は
冬のさなかなのに、

春を飛び越して、

初夏のような光が
天窓から降り注いでいる。

母はツツジの花が嫌いだと
よくこぼしていた。

母の父である祖父が
不慮の事故で亡くなったとき

道路にはツツジが
咲き乱れていたそうだ。

あの人も

真冬のさなか
唐突に逝ってしまった。

つむじ風のように
消えてしまった

あの人。

サヨナラも言えず、
皆にぽっかり穴を空けて。

このままでは
冬が嫌いになりそうだった。

暖かい陽射しは、
たぶんあの人のメッセージ。

冬を嫌いにならないでという
天からの贈り物。

春はすぐそばまで来ているのか。

あの人の

元気な笑い声が
聞こえてきそうだ。

#詩
#散文詩
#メッセージ

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