メッセージ 16 ID:國嶋慈庵a.k.a 都会の旅人 2020年2月17日 21:08 陽射しが眩しい。未だ季節は冬のさなかなのに、春を飛び越して、初夏のような光が天窓から降り注いでいる。母はツツジの花が嫌いだとよくこぼしていた。母の父である祖父が不慮の事故で亡くなったとき道路にはツツジが咲き乱れていたそうだ。あの人も真冬のさなか唐突に逝ってしまった。つむじ風のように消えてしまったあの人。サヨナラも言えず、皆にぽっかり穴を空けて。このままでは冬が嫌いになりそうだった。暖かい陽射しは、たぶんあの人のメッセージ。冬を嫌いにならないでという天からの贈り物。春はすぐそばまで来ているのか。あの人の元気な笑い声が聞こえてきそうだ。 #詩 #散文詩 #メッセージ ダウンロード copy #詩 #メッセージ #散文詩 16 この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか? サポート