『煙になって』の後書き

こんばんは。
こまです。
数あるnoteの中から、私の記事を読んでくださりありがとうございます。

今回は、先日投稿させていただいた『煙になって』シリーズの後書きです。
このシリーズを書き始めた背景や、内容について触れていこうと思います。

まだ読んでない方は、
①『煙になって、』
②『煙となって。』
こちらを読んでから、読み進めていただければと思います。
どちらも3分程度で読める内容になっておりますので、ぜひご覧ください。


それでは、後書きを始めます。

『煙になって』シリーズの背景

今この文章を読んでいるということは、恐らく『煙になって』シリーズをご拝読頂いているかと思います。
稚拙な内容でしたが、ご拝読くださりありがとうございます。

『煙になって』は、"フォロワーのツイートをお題に小説を書く" という遊び心から生まれた作品です。
以前、フォロワーが "街ですれ違った人の服装" というお題でイラストを描いているのを拝見しました。
普段の生活から着想を得るという発想に感銘を受けて、自分にも似たようなことができないかと考えました。

その結果がこちらです。

まだあの仕事してんの?
あ、紙タバコやめたんだね。

こちらが引用させていただいた内容です。
このツイートを見た時、その情景が映し出されストーリーが思い浮かびました。
ここから『煙になって』シリーズが始まったのです。

『煙になって』の構成について

『煙になって』シリーズを読んだ方はもうご存知かと思いますが、
前編と後編の中身はほぼ一緒となっています。
変わるのは視点のみ。
前編の『煙になって、』は男性目線で話が進みます。
そのため、地の文は男性目線の心情が書かれています。
つまり後編の『煙になって。』は女性目線ということです。

構成としては、前編を出題編、後編を解答編としています。
前編では文字通り「煙になって」分からなくなってしまった内容が、後編で解き明かされます。

しかし、元々後編を書くつもりはなく、『煙になって、』で終わらせる予定でした。
個人的な考えですが、小説において作者側が1から10までを小説に落とし込むのは野暮なのではないかと思っているのです。
数学等とは違い、明確な答えを欲するわけではなく、
読み手によって様々な解釈ができる自由さを欲しても良いのではないか。
読み手の経験や価値観によって、小説の中に潜む機微の解釈に違いがあってもいいのではないか。
そういった娯楽があっても良いのではないだろうか。
私はそう思うのです。

こんな大仰な事を言っておきながら、前編を書き終えた私は解答編を書くことに決めました。

『煙になって』の彼女に報われてほしかった。

これこそが、後編を描いた理由です。
彼女の人間性に惹かれてしまったのです。

自分は吸わないのに、彼の吸っていたタバコとライターを買って会いに行く彼女に、
彼に恋人が出来ても、自分と会ってくれることに喜んでしまう彼女に、
彼の幸せと自分の欲に板挟みにあってもなお、彼の幸せを願おうとする彼女に、
それでも一瞬の魔が刺して、自分の欲に負けてしまう彼女に、
欲に負けてしまった自戒として煙になり、そして煙となった彼女に。

あまりに人間味のある彼女に、私は惹かれてしまったのです。
元々は、前編の彼女のセリフや行動で、彼女の魅力を伝えようと思っていたのですが、
どうしても私は彼女に10の枠を用意することができなかった。
そのため、彼女に充分な枠を用意するために後編を書くことに決めたのです。
作者が1から10までを用意する必要は無かったとしても、10までの枠を用意できないのは作者の力不足だからです。
また、こうして後書きを書いている理由も彼女のためなのです。

最後に。

まさかここまで読んでくださる方がいるなんて、感無量です。
あなたはきっと物事を最後の最後まで楽しむことができる人間のようです。
きっと映画はエンドロールまでしっかり見るタイプなのでしょう。
もしや、お料理についてくる薬味まで楽しむことができるタイプですか。
もしかすると、ラーメンを食べる時はスープまで飲み干すタイプかもしれませんね。

ともあれ、『煙になって』シリーズを読んでくださりありがとうございました。
このシリーズを通して、彼女の人間としての魅力を感じていただければ幸いです。

また、誰かのツイートを引用して創作をすることがあるかもしれません。
全く関係なく自分の書きたい事を書くかもしれません。
次にあなたとどこで会えるかはわかりませんが、また会えることができたらとても嬉しいです。

それでは今日はここまで。

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